英語解説
2021年11月8日
Whereasとは?成り立ちやwhileとの違いを徹底解説!

(この記事は2023年6月10日に更新しました。)

こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
英検 1級、TOEIC960
whereasって聞いたことがありますか?
whereas は接続詞で、相反する2つの事を比較するときに使います。
日本語だと「~の一方で」「~に対して」といった意味になります。
この記事では、whereasの意味や語源、使い方を解説していきます。
whileとの違いも併せて解説しますので、どうぞ最後までお付き合いください。
それでは行ってみましょう!
目次
whereasの意味

同じく逆説の接続詞であるwhileに似た単語ですが、whileが一般的に広く使われるのに対し、whereasは固い単語で、新聞や論文、公文書でよく使われます。
また、法律用語として、文頭において「~なので」「~といった背景があるから」という意味でも使われています。
Oxford learner’s dictionariesの定義がわかりやすかったので紹介します。参考にしてください。
used to compare or contrast two facts
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/us/definition/english/whereas
(law) used at the beginning of a sentence in an official document to mean ‘because of the fact that…’
【和訳】
- 2つの事象を比較、対照するのに使う
- 法律)公的文書の中で、文章の最初に置いて、「~という事実があるため」の意味で使う。
上記のように、whrereasの意味は大きく2つあります。
まずは、1つ目の「~の一方で、~に対して」といった使い方を説明し、最後に法律用語としての使われ方を紹介します。
whereas の使い方

Whereasは2つの文章をつなぐ接続詞です。
文頭でも文中にもつなげる文を持って来ることができます。
Tuition for private schools is between $10,000 and $80,000, whereas public schools are free.
私立学校の学費が1万ドルから8万ドルであるが、一方で、公立学校は無料である。
Whereas tuition for private schools is between $10,000 and $80,000, public schools are free.
私立学校の学費が1万ドルから8万ドルであるのに対し、公立学校は無料である。
上記2つの英文とも、「私立 vs 公立」の対比を表しています。
Whereas の語源

上述の通り、whereasはwhere と asがくっついた言葉ですが、なぜ「~に対して・~の一方で」の意味になるのでしょうか?
その前に、少し道をそれますが、Where には次のような用法があります。
Where there is good, there is bad.
善いことがあるところには、悪いことも存在している。
Where there is light, there is shadow.
光のあるところには、影がある。
皆様も、このような言い回しを聞いたことがあるかも知れません。
接続詞のwhereには「~であるのに対して」という逆説の意味があるのです。
お手持ちの辞書にも載っているかも知れません。
Asは「~と同様に」を表します。
これ私の考えですが、whereにasがついて、「Aであるのに対して同様にBもある」という意味になり、そこから
「Aに対してB」
「Aである一方Bである」
という対照、比較を表す接続詞になったのだと推測されます。
次は、語源の辞書に掲載されていた説明を紹介します。
Online Etymology Dictionaryではwhereas の語源を
「~の立場、背景」という意味のwhereとasが組み合わさった言葉
だとしています。
【参考リンク】
https://www.etymonline.com/word/whereas
https://www.etymonline.com/word/as
この考えに沿うと
「Aだという立場・背景と同様にBである」
の意味から
「Aに対してB」
「Aである一方Bである」
に発展したことになります。
こちらの考え方であれば、法律用語の「~といった背景があるから」の意味になった理由がわかりやすくなります。
背景を表すwhereと理由・原因を表すas(~なので)が組み合わさってできたと理解できます。
WhileとWhereasの違い

whileとwhereasはよく似た表現です。
Whereasは固い言葉ですが、同じように使うことができます。
違いをあえて指摘すると、while は並列、whereasは相反です。
例えば、次の例文を見てください。
While I like sweet treats, my brother likes savory snacks.
私は甘いお菓子が好きだが、弟は塩辛いのが好きだ。
Whereas I like sweet treats, my brother likes savory snacks.
私が甘いお菓子が好きなのに対して、弟は塩辛いのが好きだ。
While の文章
私が甘いお菓子が好きだという事実と、弟が塩辛い味系のお菓子が好きだという事実が同時に存在している、並列の関係です。
Whereasの文章
私が甘いお菓子が好きであるのに反して、弟は塩辛い味系のお菓子が好きだという相反の関係です。
ですが、この二つの違いは、「敢えて言えば」の違いなので、深く意識して区別する必要はないでしょう。
英語では、同じ単語を何度もリピートして使うのを避ける方がいい文章だとされているので、前でwhileを使ったから今度はwhereasを使った、どっちの単語を使っても言いたいことは同じということはよくあります。
また、whileには「~の間に」という意味もありますが、whereasにはありません。
I listen to music while I cook.
私は料理をする間、音楽を聴く。
I found a new partner while you are gone.
あなたがいない間に新しいパートナーを見つけた。
公文書で使うwhereas

公文書の前文でその内容の背景や目的を説明するwhereas条項というものがあります。
例えば、契約書で使う場合は、whereas 条項でその契約に至った経緯や目的を契約本文の前に説明します。
大体において、以下の例のように何項目もこの背景説明を書いていきます。
このwhereasは “because of the fact that“の意味で使われているので「~なので」や「~の背景から」「~が故に」と訳せばよいでしょう。
This agreement made and entered into this 8th day of September 2020 between Apple Company and Orange company.
(本契約は2020年9月8日にアップル会社のオレンジ会社の間で考案され締結された。)
Withnesseth (以下、証明)
Whereas, Apple company has a legal license to manufacture the product;
(アップル会社は製品を生産する公式のライセンスを有するため、)
Whereas, Apple company and Orange company has a long history of trading;
(アップル会社とオレンジ会社は長く取引を続けてきた間柄という背景から、)
Whereas, Apple company is willing to manufacture and sell the product to Orange company;
(アップル会社は製品をオレンジ会社に製品を製造、販売する意思があることから、)
Whereas, Orange company is in urgent need of purchase the said product;
(オレンジ会社には当該製品を緊急に購買する必要があるため、)
・・・・・・・以下続く。
Whereas条項は前文なので、この後、実際の契約内容が叙述されていきます。
注:実際の契約書は専門的な用語と表現を使うので、このように平易な英文になることはありません。
英語を身につけるために

以上、whereasの使い方を見てきました。
Whereas条項は専門家でなければ使う機会はないですが、逆説の接続詞としてのwhereasはよく使う便利な単語です。
While, Although, On the other handなどの表現に加えてwhereasも使えてみると良いと思います。
英語はやればやっただけ伸びます。
大学で意味不明な理系の理論を教えられても理解できない私が、英語は身につけることができました。
頭の良し悪しなんて、関係ありません。
どれだけ信じて続けられるか?
それに尽きます。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんの英語学習を心から応援しています!