英語解説
2021年6月24日
pragmaticとは?難易度高いですが、概念を例文で完全理解しましょう
(この記事は2023年6月14日に更新しました)
こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
英検 1級、TOEIC960
今日は ”pragmatic”という単語を解説します。
実はこの単語、最近注目されている単語の一つです。今
Merriam-Webster英語辞典オンラインで最近注目されている単語の一つに選ばれています。
注目される理由は、ロシアのプーチンの発言でこのpragmaticが使われたからです。
アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領の会談を受け、検索数が一気に2,700%も上昇したそうです。
ちょっと分かりにくいこの pragmatic の意味や使い方などを解説します。
たくさんの例文で、そのニュアンスや使われ方を掴むことができるはずです。
どうぞ最後までお付き合いください
目次
pragmatic の意味
まず最初に、辞書で意味を確認しましょう。
sluggishの意味
- weblio英和辞典
・実用本位の
・実際的な - Lexico
・Moving or operating more slowly than usual and with less energy or power - Merriam Webster英語辞典
・slow to respond
weblio英和辞典
weblio英和辞典では次のように定義しています。
実用本位の
https://ejje.weblio.jp/content/pragmatic
実際的な
Lexico
LEXICOというオンライン英英辞典では次のように定義しています。
dealing with things sensibly and realistically in a way that is based on practical rather than theoretical considerations.
https://www.lexico.com/definition/pragmatic
【和訳】
セオリーではなく、実践的考察に基づいた方法で物事を賢明かつ現実的に扱うこと
つまり、杓子定規に規則を当てはめるのではなく、実際の事象に基づいて物事を判断・処理する、ということですね。
立命館大学で言語論を教える山中司教授は、著書『自分を肯定して生きる ー プラグマティックな生き方入門』において、プラグマティズムをこのように解説しています。
「いくら文句を言ってもしょうがないから、今あるもので何とかしていこう」という考え方
自分を肯定して生きる
pragmaticの語源
そもそも pragmatic はギリシャ語の「物事をなす」を意味する “prattein” を語源としています。
それが発展して、”pragmatikos = 証書・取り決め” となりました。
それがフランス語に伝わり “pragmatique = 法律や事業に長けた” という言葉となりました。
英語としては16世紀後半に「公式な」などを意味する言葉として誕生しました。
英語として使われた当時は、「実用的な」と言うよりは「公式な」という意味合いが強かったと、Merriam-Webster英語辞典オンラインでは述べています。
そして、”Pragmatic” は、20世紀半ば過ぎから、爆発的に使用頻度が上昇した言葉です。
pragmatic” が注目される理由とは?
すでにこの記事の最初に書きましたが、このpragmaticが注目されるようになった理由はプーチン大統領の発言です。
2021年6月16日にジュネーブで行われた米ソ首脳会談の成果に関して、プーチン大統領自身が “pragmatic” であったと評しました
このことで、この言葉への関心が一気に高まったと言われています。
Merriam-Webster英語辞典オンラインの記事では、この会談を以下のように紹介しています。
The Geneva meeting between President Biden and President Vladimir Putin was the focus of much international interest and attention on June 16, 2021. The event itself was short and low-key, with a focus on conventional diplomacy and policy discussions without drama or fireworks.
https://www.merriam-webster.com/news-trend-watch/putin-talks-with-biden-pragmatic-20210616
Putin himself used the word pragmatic to describe the meeting.
【和訳】
ジュネーブで開かれたバイデン大統領とプーチン大統領の会談は、2021年6月16日に世界中の興味と関心を集めました。会談自体は短く控えめなもので、何のドラマも火花を散らすこともなく、従来の外交と政策の議論に焦点を当てたものとなりました。
プーチン大統領自身が、この会談を評して “pragmatic” という言葉を用いました。
アメリカのトランプ前大統領は、劇場型で理性よりも感情主導の外交姿勢に注目が集まっていました。
派手なパフォーマンスばかりに注目が集まりがちだったので、今回の会談が “low-key” で “pragmatic” であったことが、評価されたのだと言えるでしょう。
実際、色々問題は山積しているものの、とりあえず核兵器削減交渉の再開・大使館員の再配置等に関して一定の前進を示しています。
より理解を深めるために。pragmaticな人ってどんな人?
それでは、progmaticをより深く理解するために、progmaticな人がどんな人なのか、考えてみます。
progmaticな人と比較するために、
- idealisticな人
- dogmaticな人
も併せて考えてみたいと思います
Pragmaticな人とは?
”Pragmatic” な人と言うのは、Dictonary.comでは以下のように定義されています。
who deals with problems or situations by focusing on practical approaches and solutions
https://www.dictionary.com/browse/pragmatist#:~:text=A%20pragmatist%20is%20a%20person,on%20high%20principles%20or%20ideals.
【和訳】
問題や状況に対処する際に、実用的なアプローチや解決策をとる人
Merriam-Webster英語辞典オンラインでは、以下のように述べています。
A person who is pragmatic is concerned more with matters of fact than with what could or should be. A pragmatic person’s realm is results and consequences.
https://www.merriam-webster.com/dictionary/pragmatic
【和訳】
こういう可能性がある、こうあるべきだ、に固執するのではなく事実を重んじる
pragmatic な人がよりどころとするのは、一にも二にも結果だ
批判するつもりはありませんが、マークシート式の試験向けの勉強が主流となっている日本では、結論にたどり着く道筋は一つしかないと錯覚してしまいがちです。
その点、ディベートやプロジェクト式の課題を子供の頃からこなしている欧米人達は、常にプランB/C/Dを用意し、物事がどう転んでも慌てず騒がず対応する術を身につけているようです。
idealisticは人とは
「pragmaticな人」の対極に位置するとして思い浮かぶのは、”idealistic = 理想主義的” な人でしょう。
idealisticは以下のように定義づけされています。
Idealistic describes someone whose plans or goals of helping others are lofty, grand, and possibly unrealistic
https://www.vocabulary.com/dictionary/idealistic#:~:text=The%20adjective%20idealistic%20describes%20someone,%2C%20grand%2C%20and%20possibly%20unrealistic.&text=If%20your%20vision%20of%20the,%2C%20or%20%22ideal%20prototype.%22
【和訳】
他人を助けるという計画や目標が高尚・壮大で、おそらく非現実的である
例えば「この10年以内に世界中から貧困をなくそう」と言う目標は、とても素晴らしいものではありますが、残念ながら現実的なものとは言えません。
しかし一方でこんな意見もあります。
こちらのサイトには理想主義についてこう述べられています。
Idealism vs. Pragmatism- how your startup can benefit from both
Idealism is what you need as motivation to start a business to change the world
https://www.treehousesociety.org/blog/idealism-vs-pragmatism-how-your-startup-can-benefit-from-both
【和訳】
理想主義は、世界を変えるような事業を始める際には必要な動機付けになる
”Idealistic” な起業家の事業のパートナーに “pragmatic leader” がいるというのが、最強の組み合わせかもしれませんね。
dogmaticな人とは?
同様に、“pragmatic” な人の真逆だと考えられているのが ”dogmaticな人”です。
”Dogmatic” な人とは、”follow the rules(規則に従う人)” と言うことです。
「え、規則に従うんだったら良いことでしょ?」と思ってしまいますが、これも程度問題です。
”Dogmatic” のレベルは以下の定義で確認できます。
follow a set of rules no matter what.
dogmatic people would never waver in their beliefs so don’t even think of trying to change their minds
https://www.vocabulary.com/dictionary/dogmatic
【和訳】
何が起ころうと絶対に規則を守る
自分の信条は絶対に曲げないので、こういう人の考え方を変えようとするのは全くもって無駄
「融通が利かない」「正論を振りかざす」などはこの部類に入りそうですね。
さいごに
今日は pragmaticを解説しました。
まとめると、pragmaticは
- 実用本位の
- 実際的な
- 杓子定規に規則を当てはめるのではなく、実際の事象に基づいて物事を判断・処理する
という意味です。
意味は上記のとおりですが、なかなか自分のものにするのは難しい英単語ではないでしょうか?
日本の組織は保守的で前例を踏襲するところが多いので、日本企業で働く限りは “pragmatic” であることは簡単な事ではありません。
でも、一歩日本企業を出ると、日本で外資系企業で働くにしても海外で働くにしても、”pragmatic” であることは大切な資質の一つとなります。
受講生の中には海外で働くことを目標にしている方もいます。
そんな彼らにも英語を身につけながら、グローバル的な思考も必要なんだってことを伝えたいと思います。
この記事が少しでも皆さんの役に立てば、とても嬉しいです。
英語学習に頑張るあなたを応援しています。
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