英語解説
2021年9月3日
英単語 Nomadを解説!ノマドワーカーでは通じない?
(この記事は2023年6月13日に更新しました。)
こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
英検1級、TOEIC960
- ソリの合わない上司、変に競争的な同僚、そんな状況だと、ノマドワーカーにも憧れちゃいませんか?
- 場所にとらわれずに海外で好きな時間にやりたいことだけやる生活、いいな~
インターネット環境が整ってきたのに合わせて、日本でも「ノマドワーカー」「ノマドワーク」という言葉が聞かれるようになってきました。
それに伴い「ノマド生活」を送っている人がメディアに取り上げられるなど、一躍「時の言葉」となった感があります。
今回紹介する単語は ”nomad”です。
Merriam-Webster英語辞典オンラインで最近注目されている単語の一つに選ばれています。
日本でカタカナ語として理解されている「ノマド」「ノマドワークなどと、英語の “nomad” にはどのような相違点があるのでしょうか?
また、ノマドワーカーは英語でも通じるのでしょうか?
このあたりを探っていきます!
それでは行ってみましょう!
今日記事から学べること
- Nomadの意味
- Nomadの変遷
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Nomadの意味
日本語では『ノマド』というカタカナ言葉は、若い世代を中心として結構馴染みのある言葉になってきています。
一方、英単語の “nomad” は、英検一級以上の単語としてリストアップされており、難解な単語・あまり頻出しない単語のひとつです。
Nomadは「遊牧民」「放浪者」などの意味を持ちます。
この言葉は、ギリシャ語で始まり、その後ラテン語で「遊牧民」を表す “nomas”となりました。
そして、中世フランス語の ”nomade=定住場所を持たない人々” と転じ、16世紀後半に英語の ”nomad” となりました。
「遊牧民のような」という意味で形容詞として “nomadic” と使われることもあります。
最近では『遊牧民主義=Nomadism』という造語も見られるようになりました。
同義語としては、”traveller” “wanderer” “migrant” “drifter” “gypsy” などがあります。
”Gypsy=ジプシー” は現在では差別用語です。
ヨーロッパでは、”Roma” ”Traveller” などという言葉で言い換えられています。
“Nomad” の発音は要注意
”Nomad” の発音記号は、[nóʊmæd]です。
カタカナ表記で一番近くなるのは『ノゥマェァド』でしょうか。カタカナでは正確には表現できませんね。
Youglishの発音をのせておきますので、参考にして下さい
- アメリカ英語
https://youglish.com/getbyid/127310018/nomad/english/us - イギリス英語
https://youglish.com/getbyid/93738413/nomad/english/uk
ちなみに「ノマドワーカー」という言葉はネイティブには通じません。
日本で使われている意味合いの「ノマドワーカー」は
「ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末などを使い、Wi-Fi環境のある喫茶店やコワーキングスペースなど、通常のオフィス以外のさまざまな場所で仕事をする人を指す日本語の表現」(Wikipediaより)
です。
これに合致する英語は ”Digital nomad” になります。
サラリーマンがネイティブには通じないのと同じようなものですね。
Digital nomad
繰り返しになりますが、日本語のノマドワークは、英語では”Digital nomad”です。
Digital nomad の定義をWikipediaで見てみると、こんな説明があります。
people who use telecommunications technologies to earn a living and conduct their life in a nomadic manner
https://en.wikipedia.org/wiki/Digital_nomad
遊牧民のように生活しながら、テレコム技術を駆使して生計を立てたり暮らしを送っている人たち
日本では、カフェやコーワーキングスペースで仕事をする人であれば誰でもノマドワーカーだとイメージしますが、ネイティブのニュアンスとしては、定住せず移動しながらネットを使って仕事をする人たち、を指しています。
”digital nomad” という言葉を初めて紹介したのが、牧本次生氏という日本生まれの半導体分野の先駆者だったそうです。
1997年にDavid Manners氏と共著で『 Digital Nomad 』を発表しています。
『デジタル遊牧民』が発表された時には、彼は既に60歳でした。
彼の先見の明と柔軟さには頭が下がると同時に、年齢に関係なく何か新しいことに注目し一定の成果をあげることができるのではないか、と希望を持つことができます。
何故今ネイティブたちは“nomad” を調べるのでしょう?
”Nomad = 遊牧民”って言葉は遥か昔からあるのに、どうして最近になって “nomad” が英語辞典で検索上位に上る言葉になったのでしょうか?
確かに、今年のアカデミー賞を受賞した映画「Nomadland」の影響も大きいでしょう。
「経済恐慌によってもたらされた不安定な生活を見事に描写している。」と批評家からも高い評価を受けました。
2008年のリーマンショックの影響で家を手放さざるを得なかった人たちが、高齢者となった今でもキャンピングカーで全米を放浪しながら生活をしている様子を描いた映画です。
厳しい状況の中でも自尊心を失わない人たちの姿に希望を見出し、自分自身の生き方の選択肢の一つとして考慮し始めた人たちが多いのかもしれません。
それ以外にも、昨年以来コロナの影響で自宅勤務となった人たちが、自分の生活スタイルを見直すようになった、という側面もあるようです。
Wifi環境が整っていれば、何も毎日会社に出かけることはない、と気づいた人たちがライフ・ワークバランスを考えるうえで、現代版の ”nomad lifestyle” にたどり着いた、とも言えます。
さいごに
日本と海外では歴史的に生活スタイルがまったく異なるため、遊牧民のような生活、というのは想像の域をでません。
ただ、リモート・ワーク、テレワークと同じようなカテゴリーの中でのノマドワークと言う働き方は、これからも注目を集めることでしょう。
今日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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