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エンゼルス大谷翔平選手の通訳はMLBファンの間でも人気者!

今年エンゼルスの大谷選手調子いいよねぇ!
オールスター前に33本もホームラン打ってるんだよね?
英語で毎日暮らしていくだけでも大変なのに、その上体調も管理してバッティングもピッチングも一流なんて、凄すぎるよ。。。。
自分も折角英語頑張ってるんだから、せめて会社のオンライン会議の通訳くらいはこなせるようになりたいな!

Hank

こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
英検 1級、TOEIC960

今回は、日本では大谷選手の活躍のニュースには必ずと言って良いほど登場する、通訳の水原一平さんにフォーカスしてみたいと思います。

日本のメディアが報じるように、水原氏はアメリカでも注目を集めているのでしょうか?
大谷選手に専属通訳がいると言うことに注目が集まった理由も絡めて、日米での報道のトーンの違いなどにも焦点を当ててみたいと思います。



英文の引用も多いので、この記事を読むだけで英語に触れることができます。
それでは行ってみましょう!

通訳って色んなスタイルがあるんだよね?

『通訳』と一言で言っても、これにはいくつかの異なるスタイルがあります。


BSなどでCNNの英語版ニュースでレポーターのスピーチとほぼ同時に通訳をしているのを聞いたことがあるかもしれませんが、これが『同時通訳』です。

国連や国際会議の場で使われるのも同時通訳です。


一方、水原氏のようにインタビュアーや大谷選手のスピーチが一区切りした所で通訳する『逐次通訳』です。

また、会議などの場で、通訳を必要とする人の近くに位置し、聞き手に囁く程度の声量で通訳するのが『ウィスパリング通訳』です。


日英の同時通訳の場合、日本語と英語では動詞や疑問詞の位置が逆になるため、高度な集中力と文章構成力が必要となります。


通訳を手配する会社のウェブサイトを見ると、同時通訳は会議やレクチャー・プレゼンテーションなど一方通行のコミュニケーションに適しており、スピードが要求されるため精度が犠牲になることもある、としています。


逐次通訳の場合、上級の通訳者であれば、言葉をそのまま訳すだけでなく、スピーカーが伝えたいニュアンスまで訳文に盛り込めむことが可能となります。


ただ、これを達成するためには通訳側にスピーカーの思考や行動パターンへの深い知識や、話題となっている分野に関する理解や歴史や背景への知識が必要となってきます。


水原一平さんの場合も、かなり長い話をメモも取らずに頭に入れ、当意即妙に英語と日本語に変換しているので、かなりの経験と地頭の良さを持つ人なのだな、と想像できます。

水原一平さんってアメリカでも有名なの?

日本のメディアは、海外で活躍する日本人がいると『世界で大注目!』とか『アメリカでも大人気!』とかの表現を使いがちなので、これは自分で調べてみなくてはいけません。


2018年シーズンからLAエンゼルスでプレイを始めた大谷選手に帯同した水原氏ですが、2018年4月には既に大谷選手の通訳として単独のインタビューを受けているので、当初からかなりの注目は集めていたと言えるでしょう。

普通の再生スピードでも2分ほどの動画なので、是非聞いてみてください。


この動画に対しては、以下のようなポジティブなコメントで溢れています。

I love Ippei as much as I love Shohei.

He seems chill.

I like this guy he gives real answers unlike a lot of people in sports



【和訳】
ショーヘイと同じくらい一平の事が好き!
リラックスした感じだよねぇ
他のスポーツ関係者みたいに口先だけの答えじゃなくて、本当に思ってる事を言ってくれるから感じ良いな




今シーズンが始まってからは、大谷選手のオールスター戦でのホームランダービーでキャッチャー役を務めたこともあり、ますます注目を集めています。


MLBの公式ウェブサイトでは “Ohtani’s interpreter to catch in HR Derby(大谷の通訳がホームランダービーでキャッチャーを務める)” という記事を掲載し、大谷選手ではなく水原氏を主役としたストーリーを紹介しています。


Fansidedというウェブサイトでも “Who is Shohei Ohtani’s interpreter?(大谷翔平の通訳を徹底解剖)” と言う記事を掲載し、水原氏が大谷選手の活躍についてどのように感じているのか、などを紹介しています。

MLBには “interpreter” って大勢いるの?

「アメリカの大リーグだから、(アジアからの選手以外は)皆英語話すでしょ?」と思いがちですが、実はそんなこともないようです。


グーグルサーチで、”MLB famous translators” と検索すると、何と100万以上のヒットがあります。


Sporting News dot comは、”This is a 24/7 job’: MLB team translators serve a vital role in modern gameと言う記事の中で、プロ野球界での通訳の重要性に焦点を当てています。

Since the 2016 season, every team at the major league level has been required to have a Spanish-speaking translator on its staff.

https://www.sportingnews.com/us/mlb/news/this-is-a-247-job-mlb-team-translators-serve-a-vital-role-in-modern-game/bat41ck7k2w1qitq7qmltltr

【和訳】
2016年のシーズン以降、メジャーリーグレベルのすべての球団では、スペイン語通訳をスタッフに含むことが義務付けられている


MLBには、キューバやドミニカ共和国、プエルトリコなどのスペイン語圏から優れた野球選手が大勢にやって来ます。

2015年まではスペイン語を話すコーチや他の同僚が通訳も買って出ていたのが、2016年以降は、球団が通訳を用意する必要があると定められたと言うことです。


更に記事の中では、White Sox でスペイン語通訳を務める Billy Russo氏が以下のように語っています。

They need you to be their closest friend. In order to do that, you need to gain first their respect and then their confidence.

https://www.sportingnews.com/us/mlb/news/this-is-a-247-job-mlb-team-translators-serve-a-vital-role-in-modern-game/bat41ck7k2w1qitq7qmltltr

【和訳】
彼らにとっては通訳が一番身近な友人で無くてはならないんだ。その為にはまず、通訳は選手からの尊敬を勝ち取らないとダメだし、その後は(僕らのやることに)自信を持ってもらえるようにしなくちゃ。



また、この記事では、通訳とプレーヤの信頼関係について次にように述べています。

Trust is essential in the exchange between player, translator, media and sometimes manager because even a slight error or inaccuracy in communication can have serious negative effects.

https://www.sportingnews.com/us/mlb/news/this-is-a-247-job-mlb-team-translators-serve-a-vital-role-in-modern-game/bat41ck7k2w1qitq7qmltltr

【和訳】
プレーヤー・通訳・メディア、そして時としてマネージャーとの間のやり取りには信頼が不可欠です。コミュニケーションにわずかなエラーや不正確さがあるだけで、深刻な悪影響を与えかねないからです。


水原氏も含めてMLBで働く通訳の皆さんは、その業務の多様さと深さから、通訳もできる ”PA = personal assistant” や “Manager” と言う方がふさわしい気もします。

海外で活躍するスポーツ選手は通訳を使うべき?それとも自分の言葉で話すべき?

この件に関しては、アメリカのスポーツチャンネルESPNのアナリスト Stephen A. Smith氏の発言が、大きな議論を呼びました。

その発言は、『大谷翔平選手が英語の通訳を介してメディアと話すことを好むことは、「ゲームに悪い影響を与える」』といったものです。


これに関しては、
「人種差別」だという意見や、
「イチローだって英語もスペイン語も流ちょうだったのに、インタビューでは正確に意図を伝えるために通訳をつけていた」
「大谷は野球をするためにアメリカに行ったんで、英語を勉強する為ではない」
など日本でもアメリカでも、通訳やむなし、という論調が主流になっているようです。



以前こちらの記事で取り上げたゴルフの松山選手も、

英語の勉強に時間を割くよりはゴルフの練習をしたい

と言った(らしい)と言うことで、マネジャーの役割も担ってくれる通訳を雇っています。


個人個人で何が一番重要かというポイントが違うので、どちらかの意見が100%正しくて逆は100%間違っている、と言うことは言えないでしょう。



これはあくまで個人的な意見ですが、通訳を介していても自分の言いたいことが100%正しく別の言語に変換されているかどうかは分かりません。


これは通訳者の技量云々の話ではありません。

通訳が機転を利かせて背景の説明を入れたり、スピーカーの日頃の言動から「彼・彼女だったら○○って考えるんだろうな」と推測を加えて話す言葉は、やはりスピーカー本人の言葉とは違うんじゃないかなぁ、と思うからです。


勿論通訳とスピーカーの間には信頼関係が構築されているでしょうし、通訳の方が語彙も豊富でしょうから、自分で話すよりも正確に言わんとするところが伝わる可能性は高いかもしれません。

それでもやはり、つたなくても良いから自分の言葉で話すのは大切ではないか、と思うのです。

さいごに

さて、最後に2014年にトロント・ブルージェイズに在籍していた川崎宗則選手のインタビュー動画を紹介します。

流ちょうな英語とは言えないインタビューですが、彼が愛されキャラであると言うことはよく分かります。


今日も最後までお読み頂きありがとうございました!

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