英語解説
2021年4月22日
【実体験】中東の職場の現実!海外就職に興味のある方は見ておいて下さい!
(この記事は2023年6月27日に更新しました。)
こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながらも英語を身につけようと必死な社会人の皆さんを支援しています。
皆さん、中東と聞くとどんなことをイメージしますか?
・テロとかで怖い場所?
・英語よりもアラビア語が必要?
・海外就職する場所じゃない?
そんなイメージをお持ちの方もいるかも知れません。
私もそうです。
今日は、そんなイメージ通りの国なのか、海外経験豊富で、10年以上中東でも働いていたな当学院のスタッフ Alexに「中東の職場」について、記事にしてもらいました。
なかなか中東での就業経験を持つ人も少ないと思うので、他には無い記事になっています!
ぜひ最後まで楽しんで読んでくださいね!
それでは、早速行ってみましょう↓
こんにちは、Alexです。
私は、2006年から2018年まで、中東のUAE(アラブ首長国連邦)とカタールで働いていました。
俗に言う「現地採用」というものです。
UAEもカタールも国の人口の90%くらいが出稼ぎ労働者の国ですが、現地採用スタッフは何故かローカルスタッフと呼ばれていました。
2006年以前にもニュージーランドとオーストラリアで10年ほど働いた経験はありましたが、中東での経験はそれまでの【海外で10年も働いた経験】がほとんど通用しない、毎日がビックリの連続でした。
目次
「郷に入っては郷に従え」、でも郷ってどこの事??
海外赴任を前にした人を対象に、海外のビジネスマナーを紹介する記事では良く、
郷に入っては郷に従え “when in Rome, do as the Romans do
というテーマが紹介されます。
日本以外の国で働くのなら、その国の職場や人間関係のマナーに合わせて行動することも大切、と言うものです。
移民の国とは言え、ニュージーランドとオーストラリアにも、それぞれ特徴あるオフィス・ルールやマナーがありました。
ところが、人口の9割近くが海外からの労働者と言うUAEやカタールでは、従うべき確固とした『郷』と言うものがないのです。
母国語も宗教も価値観も全く違う人たちが、ただ『働く』と言う目的のためだけにやってきて、プロジェクトが完了したら別の会社若しくは別の国に移っていく。
そんな環境で皆が同じ方向を向いていられる根底を形作っているのは何でしょう?
それはビジネス言語としての英語だと言えます。
クライアント(殆どの場合はローカルのアラブ人)と常時行動を共にする立場でない限り、UAEでもカタールでもアラビア語は必要ありません。
そして、ローカルでなければ、皆英語を話します。
「間違えたら恥ずかしいから」などど言っていては死活問題にもなりかねません。
皆さん言いたいことはたどたどしくても英語でしっかり言うのです。
中東でも英語が必須なんですね。
完璧にペラペラになる必要はありませんが、ビジネスを円滑に進めるためにも、英語は身につけておくべきスキルです。
英語が話せる人生を手に入れたい!
そんな人は、以下のPDFを受け取って、英語を身につけることをスタートさせましょう。
始めることが第一歩です。
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これは ”Workplace Rules for a Happy Life(楽しい生活を送るための職場のルール)” というインターネット記事の中で最初のルールとして紹介されています。
意味は「誰も信じるな、でも尊重することは忘れるな」です。
つまり、ハッピーであるために一番大切なルールとも言えます。
海外から働きに来ている人で、中東で永住しようとかその国の発展に貢献したいとか、崇高な理想を掲げている人は極まれでした。
それよりも
自分の将来のキャリアアップに役立てるため、できるだけ
“well known International company :名前の良く知られた多国籍企業“
でなるべく長い年月働いたという実績を作ることに、かなりのエネルギーを注ぎます。
私がカタールで働き始めた頃は、2022年サッカーワールドカップの招致が決まり、ワールドカップ開催までにインフラやら会場建設やらを終えなければいけない、まさに待ったなしのタイミングでした。
政府は、海外から有資格や経験豊富なエンジニアやプロジェクト・マネージャー(PM)を雇用することに力を入れていました。
本社の社長よりもPMの方が給料が高いなどという会社もあったほどです。
(今ではこれはほぼ一掃され、エンジニア/ マネージャーはエジプト人、インド人、マレーシア人、インドネシア人などが多くなってきています。それに伴って給与水準も下がっています。)
カタールでは、会社ごとに労働ビザの割り当てがあり、人種・性別・職種・役職により発行できるビザの数が決まっています。
例えば、イギリス人・男性・PMビザ枠1名、インド人・女性・会計士ビザ枠5名、という具合です。
もしも雇用を決めた人がこのビザ枠に当てはまらない場合(PMで男性だけどカナダ人だった、と言うような場合)には、会社の “PRO=Public Relations Officer” に頼んで、別枠を申請してもらわなければなりません。
ビザの申請や会社登記の更新、はたまた社有車の登録から警察にご厄介になった場合のやり取りまでこなし、役所や他の会社に強いネットワークを持つ、ちょっと怪しげな、英語とアラビア語が堪能な専門職のスタッフのこと。
このPROが有能かどうかで会社がスムーズに回っていくかどうかが決まります。
ビザのランクの重要性
自分が保有しているビザの種類によって、車の運転が許可されたり、家族を呼び寄せることができたり、お酒を購入するライセンスが取れたりするので、皆できるだけランクが上のビザを取ろうと頑張ります。
ビザを発行する役所の方も、明確な基準がなく英語に堪能な係官も少なかったのでしょう。
3ヶ月の “Maintenance Engineering Course(ビルの修繕課程)“ の修了証を提出したら “Engineer Visa(エンジニアビザ、かなりランクが上のビザ)” が出てしまった、などと言うことも聞きました。
母国イギリスでは、煉瓦工だったり大工だったりしたのに、中東に来ていきなり高層ビル建築現場の現場監督・建築責任者になってしまった人、なども少なからずいました。
人事担当であった私が、
”Can you submit your qualification paper? (資格が証明できるものを提出してくれない?)“
と頼んだら、
”I don’t have any. I have an experienced based background. 資格を証明するものはないんだ。僕は経験だけしかないから。”
ときっぱり答えた人もいました。
正直に資格がないと言う人はまだ良い方で、人事担当の頭を悩ませたのが、『学歴詐称』でした。
30分ネットで質問に答え、自分の経験をインプットするだけで、大学院卒業の資格が取れるというのですから、ついつい手を出してしまう人が後を絶ちませんでした。
あまりに口ばかり達者で、専門知識に乏しい自称『エンジニア』や『PM』が増えすぎてしまったおかげか、プロジェクトの遅延が目立ち始め、業を煮やした政府が手続きを厳格化したほどです。
ビザ手続きを開始する前に、卒業証明書は自国の教育省と外務省から認証を受け、その認証スタンプをカタール入国後にカタール外務省で再認証しなくてはいけない、という手間と時間がかかるものになったのです。
エンジニアに関しても、独自の ”Certificate(証明書)” の発行を開始しました。
こちらなどは、カタールの “Engineering Committee(エンジニアリング委員会)” にリストが載っている大学の卒業生でなければ、受験資格さえもらえません。
さいごに
中東は危険では?
と思われるかもしれませんが、UAEもカタールも非常に安全で毎日の生活にも何の不安もありませんでした。
外の気温が50度を超える真夏にスキードバイでスキーに興じる人たちを眺めたり、ドバイのブルジュ・アル・アラブの高層階のバーでカクテルを楽しんだり、仕事でオープン前のブルジュ・ハリファの150階まで登ったり、と人生一度の経験が沢山出来ました。
イスラム教の国なので、イスラム教徒は会社の勤務時間内でもお祈りすることもできました。
(一日中いつでもお祈り中と言う猛者もいました。。。)
ラマダン(断食月)の間はイスラム教徒だけ勤務時間が短くなったり、日中気温が50度を超えると外での仕事はできなくなったり、とびっくりすることも沢山ありました。
最初は2-3年のつもりで中東に出かけたのに、気がついたら10年以上たっていました。
その当時のエピソードを話し始めたら、終わりそうにありません。
このワンダーランドでの大冒険の様子は、また機会があればお伝えしたいと思います。
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