英語解説
2021年2月24日
【保存版】仮定法のポイントだけを徹底的にまとめてみた!
(この記事は2023年6月22日に更新しました)
・仮定法って学生の頃習ったけど、イマイチ分からない
・英文を読んでいても、仮定法って気付けない
・TOEICで仮定法がよく出るけど、苦手なんだよね
そんな方に向けて、この記事を書いています
こんにちは
ステューデイアス英語学院のHankです。
Hankというニックネームの純日本人です。
純日本人ですが、働きながら英語を身に付け、英検1級を取得しました。
そんな私が、今日は仮定法について、記事にまとめたいと思います。
一度まとめておけば、仮定法が苦手な受講生にも参考になるかと思ったからです。
この記事を読むと
仮定法の基本から実用的な応用までを再確認
することができるようになります。
当学院の受講生もそうでない方にも、役に立つように、分かりやすく書いていきます!
それでは行ってみましょう!
目次
仮定法とは
まずは、皆さんご存知かもしれませんが、まずは仮定法の基本的なところから解説します。
仮定と書くのので、「もし~だったらなぁ」と仮定・想像を表現します。
これと対するのとして、事実を表現する時に使う直説法もあります。
という説明は、どんな参考書にものっていますよね。
せっかくですから、もう少しだけ解説してみます。
- 私は英語を勉強します
- 私は英語を勉強した
上の2つの例は、現在と過去の事実を話しています。
これが直説法と言われるものです。
対してこちらはどうでしょうか?
- 私は英語を勉強するのに
- 私は英語を勉強したのに
例えば、仕事が忙しくて目が回りそう、もしも今日お休みなら、「私は英語を勉強するのに」という状況です。
これは、「仕事が休みなら英語を勉強するのに」という意味で、結局は「仕事が休みじゃないから、英語の勉強はしない」ことになります。
また、「昨日は日曜日なのに出勤した」という状況だったとしたら、「お休みだったら英語を勉強したのに」つまり「英語を勉強しなかった」ことが伺えます。
このように、実際とは異なることを伝える時に使うのが、仮定法です。
日本語だと、「~ならなぁ」「~するのに」「~したのに」などが目印になりますね。
ifがある文が仮定法の英文の定番ではありますが、ifがない仮定法の文もありますので、注意が必要です。
【仮定法過去】現在の事実とは異なる仮定
それでは、少しずつ詳細に移っていきますね。
まずは仮定法過去です
名前に「過去」とついていますが、現実ではないことを明確にするために、過去形が使われるだけで、現在の文になります
仮定法過去には、
①現在の事実と反する仮定
②現在・未来に対する仮定
に分類されます。
if S 過去形~, S 助動詞の過去形 ~.
仮定法過去の1つ目はこの「if S+過去形~, S 助動詞の過去形」というパターンです。
助動詞の過去形には、would・might・could・shouldなどが来ます。
If I had enough money, I could buy a new smartphone.
十分なお金を持っていたら、新しいスマホ買えるのに
上の例文は、つまり
「十分なお金がないから、新しいスマホを買えない」
という意味で、「十分なお金を持っていたら」と仮定しています
「I don’t have enough money, so I can’t buy a new smartphone.」
と考えることもできます。
こちららは、上記「①現在の事実と反する仮定」になりますね。
日本語でも「持っていたら」と「過去形のた」と同じ言葉が使われているのが、興味深いですね。
直説法と仮定法過去の違い
ifの文は全て仮定法かというと、そんなこともありません。
どんな状況だと直説法で、どんな状況だと仮定法なのかを少し解説していきます。
直説法の例
If it rains tomorrow, I will stay home.
もし明日雨が降れば、私は家にいます
この直説法の例文だと、明日雨が降ってもおかしくないと話者が感じている状況です。
天気予報で降水確率50%、誰に聞いても雨が降るかもって考えている状況です。
直説法は「起こる可能性が高いと思っている」時に使われます。
仮定法の例
If it rained tomorrow, I would stay home.
(ないだろうけど)もし明日雨が降ったら、私は外出しないだろう
状況としては、最高気温35度越えの夏真っ盛り、「明日も晴れで当分雨は期待できなさそう」と気象予報士が申し訳なさそうに話しているような降水確率0%の状況です。
こういう状況で、明日雨が降るなんてまずないだろうけど、「もしも降ったら」というように、起こる可能性が低いことを仮定法を使って表しています。
こちらが、上記「②現在・未来に対する仮定」の例になるわけです。
ここでも「降った」と「た」が使われている点が、どこか英語の仮定法過去にもつながっているように思います。
上記2つはどちらも正しい英文ですが、話者(この場合は主語のI)がどう思っているのかで、どっちを使うかが決まります。
願望を表す「S wish +仮定法過去」
次は願望を示す「~ならなぁ」です。
wishを使って表します。
I wish I could speak English.
英語が話せたらなぁ
過去形の助動詞couldが使われているのが特徴です。
「英語が話せたらなぁ」→「今は話せない」という事実と異なる願望です。
ここでよくある勘違いですが、「wish=仮定法」というイメージが強いですが、
「wish 人+ 物・事:人に物・事を祈る」
という使い方もあります。
I wish you good luck.
幸運をお祈りします
wish 対 hope
wishもhopeも辞書を見ると「望む」「希望する」と書かれています。
どちらも同じ様な意味ですので、wishを使うべきかhopeを使うべきか、悩んでしまいますね。
wishは「実現性の低い困難なことを望む」です
hopeは「根拠がなくても、実現する可能性を強く信じて望む」という意味です。
だから、誰かが私に
I wish you could pass Eiken Grade 1.
英検1級に受かるといいね
って言われてたら、
「あ~実現可能性が低くて、俺にはまだまだ難しいんだ。まぁ無理なんだって思われてるんだな」
って感じたと思います。
そこをhopeを使って
I hope you pass Eiken Grade 1.
英検1級に受かるといいね
と言われたら、頑張ろう!って頑張ったと思います。
wish:実現する可能性がとても低いことを望む
hope:実現する可能性を信じて望む
【仮定法過去完了】過去の事実とは異なる仮定
続いては、「過去の事実とは異なる仮定」です。
仮定法過去の過去バージョンです。
仮定法過去は現在の仮定です。仮定を表すために、形としては過去形が使われていました。
今回は、過去の仮定です。
すでに現在の仮定で過去形を使っていて、「過去の過去」はないので、過去の仮定には「had+過去分詞」を使用します。
仮定法過去には
①現在の事実と反する仮定
②現在・未来に対する仮定
の2つ使い方がありましたが、仮定法過去完了は
過去の事実と反する仮定
だけですので、多少は簡単かもしれません
If S had 過去分詞形~, S 助動詞の過去形 have 過去分詞~
仮定法過去でifを使った場合の典型パターンは
「if S had 過去分詞形~, S 助動詞の過去形 have 過去分詞~.」
になります
助動詞の過去形は、文脈に合わせて、would・might・could・shouldが使われます。
If I have had enough money, I could have bought a new smartphone.
十分なお金を持っていたら、新しいスマホ買えたのにに
上の例文は、つまり
「十分なお金がないから、新しいスマホを買えない」
という意味で、「十分なお金を持っていたら」と仮定しています
「I didn’t have enough money, so I couldn’t buy a new smartphone.」
と考えることもできます。
過去の事実(=十分なお金を持っていない)と異なる想像(=十分なお金を持っていたら)をしています。
過去の願望を表す 「S wish S’ +仮定法過去完了」
仮定法過去でも取り上げたwishを使った表現です。
今回は、過去の願望です。
I wish I could have spoken English.
英語が話せたら良かったのに
あの時、英語をペラペラ話せたら良かったのになぁ~
って思うことって多いですね(笑)
倒置
倒置って聞くだけで、難しい雰囲気がありますね。そこに来ての仮定法ですので、意味不明です。
でも安心して下さい
この解説で、倒置になっている仮定法もへっちゃらです
例えば、よく見る倒置は
Should you have any questions, please contact us.
ですね。
倒置=ifの省略
仮定法過去・仮定法過去完了で、ifを使った文を見てきましたが、このifを省略すると、倒置が起こります。
倒置とは、were, had, shouldが主語の前に出されることです。
例えば、先程の
Should you have any questions, please contact us.
は、ifを使うと
If you should have any questions, please contact us.
になります。
流れとしては、
- ifを消す
- 主語とwere, had, shouldの順番を入れ替える
になります。
ifが省略されているから倒置が起こるのか、倒置が起こってifが省略されたのかは、色々と意見があるようです。
いずれにせよ、倒置が起こっていたら、ifが省略されていることを疑って下さい!
whenの省略
ifの他にwhenも省略される定形表現があります。
Come April, a new policy will apply.
4月になれば、新たな規則が適用されます
これは
When April comes, a new policy will apply.
のwhen が省略され、主語のAprilと述語のcomeが入れ替わっています。
comeと原形になっているのは、仮定法現在の名残です。
仮定法の慣用表現
さて、仮定法の解説も後半に入ってきました。
ここからは応用も出てきますが、よく見る表現なので、目を通してくださいね!
if it were not for
「if it were not for ~:もし~がなければ」という表現です。
これは、現実の事実に反する仮定となります
If it were not for your help, I couldn‘t do it.
君の助けなしに、私はそれをすることができない
この例文は、withoutを使って、
Without your help, I couldn’t do it.
と書き換えることができます。
また、先程の倒置を利用して、
Were it not for your help, I couldn’t do it.
とすることもできます。
if it had not been for
上の「if it were not for」の過去形バージョンです。
「if it had not been for ~:もし~がなかったら」を表すことができます。
If it had not been for your help, I couldn’t have succeeded.
あなたの助けがなかったら、私は成功できなかっただろう
この英文もwithoutを使って、書き換えることができます。
Without your help, I couldn’t have succeeded.
更に倒置させて
Had it been for your help, I couldn’t have succeeded.
とすることも可能です。
as if
「まるで~かのようだ」と現在の事実と反対の仮定を表す「as if + 仮定法過去」があります。
He talks as if he knew everything.
彼はまるで何でも知っているように話す。
as if に続く動詞がknewになっています。
仮定として「何でも知っているかのように」なので、話し手は「彼は何も知らないのに」とは思ってる状況です。
「まるで~だったかのようだ」と過去の事実と反対の仮定を表すには「as if + 仮定法過去完了」を使います。
She talks about Japan as if she had lived there.
彼女はまるでそこに住んでいたかのように日本について話す。
as if の部分がhad livedになっているのが目印です。
過去の事実「日本に住んでいない」の反対「日本に住んでいた」と仮定しています。
if only
さきほどのwishよりも強い願望を表すのが「if only」です。
if onlyは「~でありさえすればなぁ」という日本語のイメージです
If only wish I could speak English.
英語が話せさえすればなぁ
It’s time +仮定法過去
「It’s time + 仮定法過去」で「~していい頃だ」を表します。
まだしていない事に対して、「~していい頃だ」つまり、「もうすべきなのに、まだしていない」という苛立ちも含まれる表現です。
It’s time you went to bed.
もう寝ても良い頃だ。
ここには、「もう寝るべき時間なのに、まだ寝てない」という苛立ちが感じられます。
ifを省略した表現
倒置でもifの省略がありました。
ここでは倒置以外のifの省略を見ていきましょう
I wouldn’t accept the job.
私はその仕事を引き受けない
上の例ですと、「If I were you, I wouldn’t accept the job.」のif I were youが省略されています。
Atlas総合英語にも次のような例文があります。
I’d like a glass of water.:水をいっぱい頂きたいのですが。
アトラス総合英語 P296
これは、If you wouldn’t mind (もしもあなたが嫌がらないのなら)が隠れているので、補って考える
ifがなくても、wouldなどの助動詞の過去形が出てきたら、仮定法の可能性を考えたほうが、良いわけです。
まとめ
今回は苦手な人が多い、「仮定法」をまとめてみました。
基本は
- 仮定法つまり、仮の話。
- 仮の話だから、本当じゃないよ→目印に過去形や過去完了形を使おう
です。
これを基本に
- ifを使った仮定法
- ifを使わない仮定法
に慣れていきましょう。
特に、助動詞の過去形(would, should, could)に注意することから始めましょう!
この記事が、英語学習に真剣な皆さんの助けになったなら、嬉しいです!
引き続き英語を頑張っていきましょう!
Hankのおススメ講座
初心者でもじっくり学べる英語講座