英語解説
2021年7月16日
いろいろある「世界で最も住みやすい都市ランキング」を集めてみました!
(この記事は2022.2.2に更新しました)
こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
英検 1級、TOEIC955
世の中には「都市ランキング」がいくつかあります。
今日はそんな「都市ランキング」特に「住みやすい都市ランキング」をまとめてみたいと思います。
将来海外で暮らしたい人必見の内容です!
2021年6月に、エコノミスト誌の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)がまとめた「世界で最も住みやすい都市」ランキングの2位に大阪、4位に東京がランクインしました。
このニュースは日本のニュースでも大きく報道されました。
でも実はこの「世界で最も住みやすい都市」ランキング、EIUだけでなく、様々な機関が別々の基準に基づいて作成しており、日本がランクインしているリストの方が少ないのが事実なのです。
今回は、「世界で最も住みやすい都市」ランキングを発表しているいくつかの団体をピックアップし、別々の基準を使うと結果が全く異なってくるという事実に焦点を当てたいと思います。
目次
EIU(エコノミスト誌の調査部門)が発表する「最も住みやすい都市」
EIUが発表する「最も住みやすい都市」は、次のような要素を数値化しています。
ranking 140 global cities for their urban quality of life based on assessments of stability, healthcare, culture and environment, education and infrastructure.
https://en.wikipedia.org/wiki/Global_Liveability_Ranking
【和訳】
世界の140都市を対象に、「安定性」「医療」「文化・環境」「教育」「インフラ」の5項目を基に「住みやすさ」を数値化して、ランキングつけたものです(2020年を除く)
上位に入った都市に注目が集まりがちですが、140位までしっかり順位をつけています。
EIUのランク付けについて、以下の批判が書かれています。引用しますね。
However, the The New York Times in 2010 criticized the Economist Intelligence Unit for being overly Anglocentric, stating that: “The Economist equates liveability with speaking English.
【和訳】
しかし、2010年にニューヨークタイムズ誌は、EIUの掲げる基準があまりにも「アングロセントリック」であるとして『エコノミストは「暮らしやすさ」イコール「英語を話す」と言うことに結び付け過ぎだ』と批判しています。
そんな批判もありますが、EIUによって発表された2021年「最も住みやすい都市」のリストは以下のようになります。
2021年 「最も住みやすい都市」(EIU)
1位:オークランド(NZ)
2位:大阪(日本)
3位:アデレード(オーストラリア)
4位:ウェリントン(NZ)/ 東京(日本)
6位:パース(オーストラリア)
7位:チューリッヒ(スイス)
8位:ジュネーブ(スイス)/メルボルン(オーストラリア)
10位:ブリスベン(オーストラリア)でした。
他の組織が発表した「最も住みやすい都市」のリストは2019年が最新版となるため、比較の目的のためにEIUの発表した2019年のリストも紹介しておきます。
2019年 「最も住みやすい都市」(EIU)
1位:ウィーン(オーストリア)
2位:メルボルン(オーストラリア)
3位:シドニー(オーストラリア)
4位:大阪(日本)
5位:カルガリー(カナダ)
6位:バンクーバー(カナダ)
7位:東京(日本)/トロント(カナダ)
9位:コペンハーゲン(デンマーク)
10位:アデレード(オーストラリア)です。
では、EIU以外に「住みやすい都市ランキング」も見てみましょう。
Mercer’s Quality of Living Ranking
ニューヨークを本拠地とする世界最大の組織・人事マネジメント・コンサルティング会社Mercerが、ニューヨークを100として、39の指標に関して査定を行った結果です。
企業の海外進出などの際のガイドランとして使われています。
Mercerの2019年版「生活の質」ランキングでは、上位35位に日本の都市は登場しません。
2019年版のリストは以下の通りです。
2019年 「最も住みやすい都市」(Mercer)
1位:ウィーン(オーストリア)
2位:チューリッヒ(スイス)
3位:バンクーバー(カナダ)/ミュンヘン(ドイツ)/オークランド(NZ)
6位:デュッセルドルフ(ドイツ)
7位:フランクフルト(ドイツ)
8位:コペンハーゲン(デンマーク)
9位:ジュネーブ(スイス)
10位:バーゼル(スイス)
2019年のEIUのリストと比べると、1位のウィーンは同じですが、その他はかなり異なっています。
ヨーロッパの都市が多く選ばれている事に気づきますね。
Monocle’s Quality of Life Survey
雑誌やラジオ放送を通じて、グローバルなライフスタイルを取り上げているMonocleが2006年以降、クオリティ・オブ・ライフを指標として、「世界で最も住みやすい都市」リストを発表しています。
Monocleが選定の基準は次のようになっています。
Important criteria in this survey are safety/crime, international connectivity, climate/sunshine, quality of architecture, public transport, tolerance, environmental issues and access to nature, urban design, business conditions, pro-active policy developments and medical care.
https://monocle.com/film/affairs/quality-of-life-survey-top-25-cities-2019/
【和訳】
この調査の重要な判断基準は、セーフティ/犯罪、インターナショナル・コネクティビティ、気候/日照時間、建築クオリティ、公共交通機関、寛容性、環境問題、自然へのアクセス、都市デザイン、ビジネス環境、積極的な政策立案、メディカルケアです。
この基準によって選定された「世界で最も住みやすい都市」リスト2019年版は次のようになっています。
2019年 「最も住みやすい都市」(Monocle)
1位:チューリッヒ(スイス)
2位:東京(日本)
3位:ミュンヘン(ドイツ)
4位:コペンハーゲン(デンマーク)
5位:ウィーン(オーストリア)
6位:ヘルシンキ(フィンランド)
7位:ハンブルク(ドイツ)
8位:マドリッド(スペイン)
9位:ベルリン(ドイツ)
10位:リスボン(ポルトガル)
EIUのリストとは真逆で、英語を母国語とする国が1か国も含まれていないのが興味深いですね。
又日本以外の国々がすべてヨーロッパに位置するというのも興味深いところです。
日本以外で上位10か国に入った国々は、英語がネイティブではありませんがEPIランキングでは、英語習熟度が「非常に高い」若しくは「高い」と評価された国々であることは、ここで付け加えておきます。
Deutsche Bank Liveability Survey
ヨーロッパ最大手の金融機関の一つであるドイツ銀行も独自の「もっとも住みやすい都市」のリストを発表しています。
2019年版のリストは以下の通りです。
2019年 「最も住みやすい都市」(ドイツ銀行)
1位:チューリッヒ(スイス)
2位:ウェリントン(NZ)
3位:コペンハーゲン(デンマーク)
4位:エジンバラ(イギリス)
5位:ウィーン(オーストリア)
6位:ヘルシンキ(フィンランド)
7位:メルボルン(オーストラリア)
8位:ボストン(USA)
9位:サンフランシスコ(USA)
10位:シドニー(オーストラリア)
さいごに
いかがですか? 基準を変えるとランキングの結果が全く異なってくることが分かりましたね。
ここから導き出せる結論は、研究機関の大小にかかわらず、何を基準とするかによって、その結果は全く違うものになってくる、と言うことです。
日本では「東京と大阪が世界で一番住みやすい都市の上位10都市に選ばれた!」と喜んでいても、その他の多数の専門機関は全く違う結果を導き出していることもあるのです。
どうしても名前の知れた研究機関の結果の方が信ぴょう性が高いと考えがちですが、基準となる指標が違えば、異なる結果が出るということも、起こって当然ですね。
皆さんも、頑張って情報ソースを探して元記事をチェックする習慣をつけてみましょう。
グローバルな視点を鍛えるのにとても役に立つ作業です。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
皆さんの英語学習での成功を心から願っています!
頑張りましょう!応援しています!
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