英語解説
2021年9月15日
【Fewer vs Less】使い分けにはもう悩まない!
(この記事は2023年6月13日に更新しました。)
こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
英検1級、TOEIC960
「英語毎日頑張って勉強してるのに、実際ネイティブと話す機会があると、間違ったらどうしようって心配で頭が真っ白になっちゃう。。。。」
「間違ったら笑われそうで、駅で道に迷ってうろうろしてる観光客から ”Do you speak English?”って聞かれたら”NO!”としか答えられない。。。。」
こんな経験をした人は多いと思います。
日本人は外国語を話す際に「間違えたら恥ずかしい」ということが強迫観念になっていて言葉が出てこない状況に必要以上に陥っているようです。
日本人の自分だって日本語を完璧に話せるわけではないのに、こと外国語になるとネイティブは完璧に話していると錯覚してしまう、よくあることです。
「ネイティブは間違えない」という呪縛を取り払うと、「あれ、今間違ってない??」という場面にはよく出くわします。
“Confusing words even for native English speakers” とか “Common mistakes native English speakers make in English” をグーグルで検索すると、実に1億近くのヒットがあります。
ネイティブだって、やっぱり間違えているのです。
今回は、ネイティブも使い方をよく間違える単語、”fewer” と “less” に注目して、その違いと使い方を探っていきます。
Hankのおススメ講座
初心者でもじっくり学べる英語講座目次
“Fewer” の意味
”Few” はレベル1、基本の英単語ですが、”fewer” はレベル12、英検1級以上の単語にリストアップされており、使い方に注意が必要な単語だと言えます。
(https://ejje.weblio.jp/content/fewer)
・より少ない
・より少数の
Merriam Webster英語辞典でも確認してみましょう。
1. a smaller number of persons or things
https://www.merriam-webster.com/dictionary/fewer
2. comparative of FEW
1. もっと少数の人や物
2. “Few” の比較級
上記1は代名詞としての使われ方です。2の方は、形容詞fewの比較級を意味しています。
fewerもfew同様に、数えられる名詞に使われ、その数が少ないことを表します。
数えられるものと言うことなので、たとえば水・砂、バターのような数えられない名詞には “fewer” を使うことはできません。
Fewer bottles of water than yesterday.
昨日よりも少ない本数のボトル入りの水
この場合には、”fewer” は “bottle〈可算名詞〉” にかかっています。
同様の意味を持つ言葉としては、”hardly any” や “one or two” “a small number of” などがあります。
”at least” と同じ意味で「少なくとも」という意味合いになるので、注意しましょう。
例文
No fewer than 1,000 people attended the meeting.
その集会には少なくとも1,000人が参加した。
a few と fewの違い
few:”not many” 、たくさんは無い ⇒ 辞書的には「ほとんどない」という意味
a few: ”some” 、少しある ⇒ 辞書的には「少数の」という意味
”Less” の意味
lessは形容詞、副詞、名詞、前置詞としていろいろな使われ方があります。
それぞれの用法での例文を上げていきます。
〈不可算名詞の名詞を修飾して〉(量・程度が)より少ない
例
It’s better to eat less meat. 肉はあまり食べない方が良い。
”Little” の比較級
〈形容詞・副詞を修飾して〉もっと少なく
例
I’m less concerned about the problem than I used to be.
その問題に関しては、前ほど気にしてないよ。
より(もっと)少数(量・額)
例
Borrowers are striving to ease their financial position by spending less and saving more.
融資を受ける人たちは、支出を減らし貯蓄を増やすことで、財政状態を緩和しようと努めています。
差し引いて
例
$30, less the discount of 15%, is $25.50.
30ドルから値引き分の15%を差し引くと、25ドル50セントです。
ついでにlessを使ったイディオムをご紹介します。
・Less than (something):(Something) よりも劣る
例
Her greeting was less than enthusiastic.
彼女の挨拶って、やる気入ってなかったよねぇ。
・Less and less:どんどん少なくなっていく
例
The couple seem to spend less and less time together.
あのカップル、どんどん一緒に過ごす時間が少なくなってくるみたいだね。
・No less than :(数)も、同程度に
例
The Amazon is no less than 200 miles wide at its mouth.
アマゾン川の河口の幅は200マイルもあるよ。
・More or less:だいたい、おおよそ、概ね
例
The Conference is more or less over.
会議は概ね終了した。
可算名詞には ”fewer”、不可算名詞には“less” 、でもちょっと待って
海外旅行の時にお土産を買いに行ったスーパーや、映画のワンシーンでスーパーマーケットが映ると、レジのところに “10 items or less” (10商品以下での精算専用)ってサインが出てるじゃん。しかも手書きじゃなくてしっかりした看板だよ。
あれ、間違ってるの???
そうです。厳密に言えば間違っているのです。
英語学習者の強い味方grammarlyは、サイトのコラムの中で、”less” と “fewer” の反対語である “more” が可算名詞にも不可算名詞にも使われるため、混乱に拍車をかけてしまうことは認めています。
しかし、”less” は不可算名詞、“fewer” は可算名詞、と覚えておくだけで混乱は避けられる、としています。
”less” は不可算名詞、“fewer” は可算名詞
- If fewer people used disposable water bottles, there would be less plastic in landfills.
使い捨てのウォーターボトルを使う人が少なければ、埋立地のプラスチックも少なくなるよ。 - Their troubles are fewer than ours.
彼らの抱えている問題の数は、私たちが抱えている問題よりも数が少ない。
Cambridge英語辞典では、わざわざ “Warning = 注意” という太字の見出しをつけています。
You will often hear less used with plural countable nouns in informal spoken situations, but traditionally it is not considered to be correct
https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/less-or-fewer
インフォーマルな話し言葉では、複数形の可算名詞と一緒に “less” が使われることも良くあります。しかし、伝統的にはこれは間違いだと考えられています。
さいごに
言葉は生き物なので、時代ともに単語の意味や文章の成り立ちが変化していくものです。
ハリウッド映画でも、今では若い世代をターゲットにした映画では、”He/she doesn’t…” の代わりに “He/she don’t…” がセリフとして堂々と登場しています。
今回この記事を書くにあたり、いろいろと読んだコラムの中には、「あと10年もしたら、”fewer” は消滅しているかもしれない」という大胆な予測をしているものもありました。
個人的には、英語学習者はあえて間違っているかもしれない英語を使ったり、クールに響くからと言う理由だけでスラングなどを使うべきではない、と考えています。
日本語にも、シチュエーションによって使うべき言葉があるのと同様に、英語でも選ぶ言葉や言い回しによって、場にそぐわなかったり、俗に言う「お里が知れてしまう」場合もあります。
ネイティブの同僚や友達とビール片手にサッカー観戦で盛り上がる、と言う場合でも、やはりきちんとした英語を話していれば、相手からの尊敬の度合いがうんと高くなりますよ。
それでは、最後に ”10 Common Mistakes in English Even Native Speakers Make(ネイティブでさえ間違える英語10選)” というネットコラムの冒頭部分を紹介したいと思います。
【和訳】
英語はネイティブにとっても難しいものです。どんなに長く勉強していても、あちこち間違ってしまうことはあります。でも、知っての通り、それで大丈夫なのです。
言語を(学んで)上達しようと思ったら、間違えることはすごく大切な事なんです。
今日も最後までお読み頂きありがとうございました。
あなたの英語学習を応援しています!
一緒に頑張りましょう!
Hankのおススメ講座
初心者でもじっくり学べる英語講座