英語解説
2021年8月23日
東京オリンピックで活躍した日本にルーツを持つ海外選手を取り上げます!
こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
今回の東京オリンピックは、海外にルーツを持つ選手が日本代表として活躍しました。
柔道で金メダル獲ったウルフ・アロン選手や女子バスケットで銀メダルを獲得したオコエ桃仁花選手、八村選手とか大坂選手です。
オリンピック期間中はそんなに話題にならなかったけど、日本にルーツがありながら海外代表で活躍した選手とかも実はいます。
今日の記事では、日本にルーツがあって海外代表として活躍したオリンピック選手を2人紹介したいと思います。
今日ご紹介する2選手
- Collin Morikawa(コリン・モリカワ)選手
- Saya Sakakibara(榊原爽)選手
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Collin Morikawa(コリン・モリカワ)選手 ー USA・ゴルフ
コリン・モリカワ選手の名前を始めて聞いたのは、スポーツニュースで2021年の全英オープンの優勝者が紹介された時でした。
ゴルフの事は全く分かりませんが、”Morikawa” という言葉に耳が勝手に反応したようです。
モリカワ選手の事を少し調べてみました。
アメリカで暮らす日本をルーツとする人たち向けの英語メディアNichiBeiでは、彼の事を次のように紹介しています。
Morikawa, who is of Japanese and Chinese descent, says most of his family on his father’s side are from Hawai‘i, where many of them still live.
https://www.nichibei.org/2021/01/i-am-who-i-am-collin-morikawa-embraces-his-role-as-an-asian-american-athlete/
日本と中国にルーツを持つモリカワは、父親の親族はハワイ出身でいまでも親族の多くがハワイ在住だと言います。
”Descent” は直訳すると『子孫』と言う意味です。
アメリカやオーストラリアなどの移民国家では非常によく使われる言葉です。
『○○の血を引く』という訳も良く見られますが、上記ではあえて『ルーツを持つ』という表現にしました。
大学の冬休みを利用して日本に来たことがあるようで、その経験を「ダントツに楽しい」と表現しています。
During one of his winter breaks, he and his family took a trip to Japan. It was the first time any of them had been to the country, and Morikawa called it, “By far, it was my favorite trip ever.
https://www.nichibei.org/2021/01/i-am-who-i-am-collin-morikawa-embraces-his-role-as-an-asian-american-athlete/
大学の冬休みに、彼は家族と一緒に日本を訪れました。
家族全員にとってそれが初めての日本訪問でしたが、モリカワ選手はその時の事を「今までで、断トツに一番楽しい旅行だった」とよびました。
日本好きなモリカワ選手、これからの活躍もフォローしていきたいと思います。
Saya Sakakibara(榊原爽)選手 ー オーストラリア代表・BMX
オリンピック開催前、クイーンズランド州の大手スーパーマーケットは、榊原選手の等身大のパネルで溢れていました。
ゴールドコースト生まれの彼女は、地元出身のオリンピアンとして、オリンピックのメダル獲得に期待がかかっていたのです。
こちらの記事の中ほどに写真が載っています。
https://www.sbs.com.au/language/english/audio/japanese-mum-of-aussie-bmx-stars-is-ready-for-tokyo-2020
榊原選手のオリンピック出場に至る物語は、オーストラリアでは折に触れてメディアに取り上げられています。
彼女の母親が日本人だという事も理由の一つですが、彼女とお兄さんであるKai Sakakibara(榊原魁)選手のストーリーが多くのオーストラリア人の心に響いたからです。
オーストラリアの公共放送局SBS(Special Broadcasting Service)は自社のウェブ記事でその詳細を紹介しています。
Australian siblings make it to Olympics but only one will compete after tragic accident
https://www.sbs.com.au/news/australian-siblings-make-it-to-olympics-but-only-one-will-compete-after-tragic-accident
オーストラリア人兄妹が共にオリンピックの切符を手にした
しかし悲惨な事故の後で競技に参加するのは一人だけ
“Siblings” とは、兄弟姉妹を年齢の上下・性別に関係なく一言で表す言葉です。
英語ではよく使われるので、覚えておくと便利ですね!
爽選手と魁選手はともにオーストラリアのBMXの有力な選手で、二人とも2020年東京オリンピックのBMX代表に選ばれていました。
日本人の母親とイギリス人の父親を持ち、日本でも6年間暮らしたことのある二人にとって、一緒に東京オリンピックに参加することは特別に意味のあることでした。
Kai Sakakibara has travelled to Tokyo to cheer on his BMX rider sister Saya after his own Olympic dream was cut short by an accident that left him with a brain injury. Instead of competing, he’ll now carry the Paralympic flame in the torch relay.
https://www.sbs.com.au/news/australian-siblings-make-it-to-olympics-but-only-one-will-compete-after-tragic-accident
脳に損傷が残るような怪我の為に、自分のオリンピックドリームを志半ばで断念せざるを得なくなった魁も、BMXに出場する爽を応援するために、東京に来ています。
解説
- cheer on
応援する - cut short
志し半ばで断念する - instead of
代わりに
いつも一緒に練習していた魁選手が隣にいないという現実を爽選手は次のように描写します。
It was definitely hard just to go through the daily grind by myself now when we had those years of training, resting, travelling everything together as a team or Kai and I.
https://www.sbs.com.au/news/australian-siblings-make-it-to-olympics-but-only-one-will-compete-after-tragic-accident
もう何年もチームのように魁と私がいつも一緒で、トレーニングや遠征を一緒にしていたのに、一人で毎日のルーチンをこなすのは間違いなくハードな事でした。
解説
- go through
ここでは、「こなす」「やり終える」 - daily grind
退屈な日課
And for that to be taken away so quickly and it was definitely a hard shift; and it was definitely hard to get used to. It’s something that I still struggle with.
https://www.sbs.com.au/news/australian-siblings-make-it-to-olympics-but-only-one-will-compete-after-tragic-accident
(今まであることや居ることが当然だと思っていたことが)アッという間に奪われてしまったことは、辛い変化でそれになれることも大変でした。今でもこれには苦労しています。
解説
- be taken away
奪われる - struggle with
~に苦労する
オリンピックでのレースが始まると、爽選手は順調に勝ち進み準決勝に進みます。
しかし、準決勝で先頭を争っていた爽選手は、アメリカのウィロービー選手の自転車があたり転倒、自らも脳震盪に見舞われ、そこでレースを棄権せざるを得ませんでした。
これに対して、魁選手はTVのインタビューに次のように応えています。
Saya, I know this isn’t what you wanted,” he said. “But either way I’m really proud, and let’s go prepare for the next one.
https://www.theguardian.com/sport/2021/jul/30/it-just-sucks-tearful-saya-sakakibara-supported-by-brother-kai-after-olympic-bmx-crash
爽、これが自分が望んでいたことじゃなかったって言うのは分かってるよ。でも、どちらにせよ、すごく誇りに思ってる。さぁ、次のレースの準備を始めよう!
解説
- “I know this isn’t what you wanted, but either way I’m really proud”
というフレーズは、思っていた結果が出なくて落ち込んでいる友達や同僚にそのまま使えるポジティブなメッセージですね。
次のオリンピック・パラリンピックでは、又再び兄妹として競技に参加できると良いと心から願っています。
さいごに
今回のオリンピックは、ダイバーシティが体現できた大会のように思えます。
海外にルーツがあっても日本代表としてオリンピックに参加した選手もいれば、日本にルーツがあっても海外代表としてオリンピックに出場した選手もいます。
難民として移住した先の国を代表してメダルを獲得した選手など、理由は様々ですが、国境はただ地図の上に描かれた線にしか過ぎない、国を作るのはその国に住んでいる人たちだ、という意識を強く持つことができました。
英語を頑張って勉強して、次回日本で開かれる国際大会にボランティアや大会スタッフとして参加する目標を立てるのもステキですね!
今日は以上です!
最後までお読み頂きありがとうございました。
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