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日本政府が自治体のAI婚活サービスを支援?日本のニュースに世界も注目

(この記事は2023年6月13日に更新しました。)

Hank

こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
英検1級、TOEIC960

日本ではそれほど話題にならなかったニュースが、海外では大きな興味を持たれることがあります。

今回紹介する「日本政府が自治体のAI婚活サービスを支援」もその一つです。

このニュース、日本語でのグーグルサーチの検索結果は240万ヒットですが、”Japanese Government support AI matchmaking” と入力すると650万近いヒットを記録します。

日本では「また政府がなんかやってるよ」程度の生ぬるい反応だったものが、海外からは結構興味を持たれたと言うことでしょう。

この話題は、英語学習者向けにニュースを紹介するBreaking news Englishでも紹介されました。

日本語での記事の内容と比較して、このニュースが海外ではどのように報じられているのかを探ってみましょう。

AI(人工知能)を活用した婚活支援事業とは

少子化対策の一環として、自治体が行う「AI(人工知能)を活用した婚活支援事業」を補助金交付で後押しするというのがその試みです。

少子化の原因の一つに婚姻数の減少があることを見据え、ビッグデータを活用することで先ず婚姻数を解消し、その後の出生率の向上を目指します。

AI婚活支援の仕組み

結婚希望者の年齢や趣味といったプロフィールや、行動履歴などのビッグデータを活用し、自治体の婚活支援事業の利用者・登録者に対して、彼/彼女を好んでいそうな相手を見つけてマッチングする。

内閣府は2021年度の概算要求に少子化対策費用として20億円を計上しており、地方自治体がAIを活用した婚活システムを導入する際の費用の3分の2を支援するようです。

担当大臣まで任命されているので、政府も本気でこの問題に取り組んでいるのが分かります。

英文記事ではどう伝えたのか?

それでは海外ではどう報道されたのか、Breaking News Englishを覗いてみましょう。


今回紹介するのは、Level 0の記事です。(https://breakingnewsenglish.com/2012/201211-ai-matchmaking-0.html)

Japan wants people to go on dates and increase the birth rate. There are fewer babies in Japan. Artificial intelligence will match couples. This will cost $19 million to start. Japan has many matchmaking services. A worker matches people. The AI project will automate this system. It will give better matches.The government wants to increase Japan’s population. Its fertility rate is one of the lowest in the world. The government wants to increase the birth rate. The population is ageing quickly because people are living longer. There are fewer younger workers to pay for the pension and welfare of retired people.

https://www.merriam-webster.com/dictionary/fewer
和訳

日本(政府)は、国民がデートに出かけ出生率が向上することを望んでいます。日本では、赤ちゃんの数が減少しているのです。AIが人と人を引き合わせるようになります。これに先ず1,900万ドルの費用をかけます。日本には多くの婚活サービスがあります。そこでは実際の人が紹介の仲立ちをしています。このシステムをAIが自動で行うようになるのです。よりお似合いの相手を紹介できるようになります。政府は、日本の人口増加を望んでいます。日本の出生率は、世界でも最も低いものの内の一つとなっています。政府は出生率を向上させたいのです。寿命が延びたので人口の高齢化は急速に進んでいます。退職者の為の年金や福祉を負担する若い就労者数が減少しているのです。

単語解説

go on dates:デートする

birth rate:出生率  

Artificial intelligence:人工知能 A.I.

matchmaking:仲人をする、人と人を引き合わせる この記事の場合は婚活サービスの意味

fertility rate:出生率 (= birth rate、同一の表現を何度も使うのを避けるため、別の言い回しを使っています。)

one of the lowest :最も低いものの内のひとつ

pension and welfare:年金と福祉

retired people:退職者(この記事の場合は、定年退職者の意味)

AI婚活に対する反応

個人的には、まず自治体が婚活支援を行っていると言うことにまずビックリしました。


海外でも独身の男女が(年齢に関係なく)出会いの場を得るためのパーティーやマッチングサイトなどは大人気です。

しかし、殆どが私企業が運営しているものです。


地方自治体が婚活に関わり、これを政府が支援するというのは聞いたことがありませんでした。

この取り組みに関しては、日本国内では以下のような反応がありました。

国内の反応

・地方自治体の婚活事業がAIが活かせるほどのビッグデータを持っているとは思えない

・政府が考えてるのは、今の高齢者層にどうやって福祉を提供するかだけ。

・人口増加も税収入を増やすための手段でしかない

・婚活に力を入れる以前に、既に結婚している人たちが子育てしやすい環境を整備するのが先‼

では、海外の反応にはどのようなものがあるのでしょうか?

日本でフルタイムで働く女性は週49時間以上働いた上に週25時間以上も家事に時間を費やしている。同じころ男性が家事に費やす時間は5時間以下である

男性にとっても近年給料が上がらないことや長時間労働と相まって、結婚しても家族を養うことができないのではないか、という考え方が広がっている

先ずこの問題が解決されないことには、結婚に魅力を感じる女性が増えない、と言うことです。

・人口の減少を食い止めるには、カナダやみたいに移民を奨励するしかないよ!

・未だに結婚したら旦那が外で働いて女性は家を守るなんて、考え方が古すぎる

・こんなの、「何かしてます」って政府が国民に見せつけるためにやってるだけさ

・あんなに無駄に長い時間働いてたら、デートする暇なんて見つけられないよ

・AIが探してくれた完璧なお相手なんて、自分も会ってみたい

・AIが見つけてきたから完璧に違いない、って喜んで結婚するカップルが絶対出て来る

・そんなことより、子供たちにとって良い環境を作ってあげるべき!

・そのうち、政府が代わりに子供を育ててくれるようになるかも

ふざけたものから辛辣なものまで、様々なコメントがありますね。

他国の出生率低下への取り組み

国の人口を支えていくためには、女性一人当たり2.1人の出生率を維持することが必要だといわれます。


2020年段階での日本の出生率は1.36人となっています。


これに対してヨーロッパは1.59人前後。日本よりはまだ多少高い数値ですが、人口を維持するレベルにはないことは明らかです。

国連の調査によれば、世界中で人口9万人以上を有する201の国と地域の内83の国と地域で低い出生率が記録された、としています。

Economistの記事では次のようにも述べています。

Immigration is the easiest and most obvious way for Europe to increase the growth of its population.
ヨーロッパにとっては、移民が最も簡単で確実な方法で人口増加を達成する方法だ

しかし、移民に反対の政策を取る国、例えばハンガリーでは、若いカップル向けに子供を3人産んだら返済の必要がないローンを提供しています。


ポーランドでは低所得家庭が子供を持った場合、子供一人につき月々118ユーロ(約15,000円)の支給を行っています。


15,000円と言えばあまり高額ではない印象ですが、ポーランドの夫婦二人暮らし世帯の1ヶ月の平均生活費が日本円換算で6万円程度と言うことなので、これは大きな助けになります。

さいごに

いかがでしょうか?

少子化対策の一環として移民を増やすという政策は、日本では現実的なものではないのかもしれません。

では、少子化対策のために、どんな手段が有効だと思いますか?


海外での進め方を参考にしながらも、日本にマッチしたやり方を早急に行う必要があるでしょう。


これはまさに政治力に他なりません。

AI婚活の先を見据えて、子育てへの支援を今の数倍規模にしなければ、出生率自体への寄与は少ないのかも知れませんね。

今日も最後までお読み頂きありがとうございました。

皆さんの英語学習での成功を心から応援しています。

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