英語解説
2021年11月7日
Elephantが含まれる英語表現を7個解説します
(この記事は2023年6月10日に更新しました。)
日本語には、動物や昆虫が使われた慣用句が沢山あります。
同様に、英語でも慣用句に動物を使ったものは多くあります。しかし、使われる動物の種類は日本とはちょっと異なっているようです。
今回は日本語の慣用句には登場しない動物、「象」を取り上げ、数々のイディオムを紹介したいと思います。
現在の欧米では象に対しては「幸運のシンボル」「賢明さ」「子宝」「守り神」というイメージを持つ人が多いようです。
それでは、英語で使われる象を含んだ慣用句を8つご紹介します。
象を含んむ英語表現 8個
- Elephant in the room
- An elephant never forgets
- White elephant
- Pink elephants
- See the elephant
- Kill a fly with an elephant gun
- Eat an elephant one bite at a time
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Elephant in the room
まず1つ目にご紹介するのは、”Elephant in the room”です。
”The elephant in the living room”と使う場合もあります。
この熟語の意味を英英辞典のMerriam Webster英語辞典で調べてみると、次のように解説されています。
an obvious major problem or issue that people avoid discussing or acknowledging
https://www.merriam-webster.com/dictionary/elephant%20in%20the%20room
【和訳】
そこに明らかで大きな問題や課題があるにもかかわらず、人々がそれを議論したり問題・課題の存在を認めることを避けたりする様子
Merriam Webster英語辞典によると、この言葉が最初に上記の意味で登場したのは1985年だとしています。
しかし、Oxford英語辞典では1959年だとしているので、実際のところは諸説あるようです。
日本語で言うところの「見て見ぬ振りをする」という感じです。
像が部屋にいたら、気づくでしょうが、気づかないふりです。
触れてはいけない話題、タブーのようなものですね。
The incident has remained something of an elephant in the room within our family.
その出来事は、私たち家族の間に目を背けている問題があることを思い知らせている。
An elephant never forgets
2つ目は ”An elephant never forgets”を取り上げます。
This idiom is commonly used when referring to someone who has an excellent memory.
https://knowyourphrase.com/an-elephant-never-forgets
【和訳】
記憶力の良い人を描写する際に良く用いる慣用句。
象は記憶力が良い、とされている事から使われるようになった慣用句です。
昔一緒に働いていたネイティブの同僚は、毎年夏休みにタイにある象の保護施設でボランティア活動をしていました。
一年に一度しか会わないのに象たちは彼の事をよく覚えていた、と話しえくれたことを思い出しました。
同じような意味を持つ慣用句に “a camel never forgets an injury.(ラクダは自分が傷ついたことを忘れない)” と言うものもあります。
日本だと「犬は三日の恩を三年忘れず」と言うものがありますね。
I would be hesitant to cross him—he’s a dangerous man, and an elephant never forgets.
あの男は怒らせたくないよ、すごく危なっかしい奴だし、(誰かにされたことは)絶対忘れないんだ。
White elephant
3つ目は”White elephant”です。
a possession that is useless or troublesome, especially one that is expensive to maintain or difficult to dispose of.
https://idioms.thefreedictionary.com/a+white+elephant#:~:text=also%3A%20elephant%2C%20white-,a%20white%20elephant,or%20difficult%20to%20dispose%20of.
【和訳】
役に立たない、または持っているだけで面倒な所有物。特に維持に費用がかかる物や、処分が難しい物。
一言でいうと「厄介者」のような存在でしょう。
元々はシャム王国(現在のタイ)で、白い象は王様の持ち物になるという規則がこの慣用句の発端です。
王様のところに白い象ばかりが集まり、その世話に時間も費用も掛かるのに辟易した王様は、この白い象を自分が気に入らない家臣に下げ渡すようになります。
もらった方も王様から下げ渡されたので粗末にするわけにはいかないものの、費用ばかりが掛かって迷惑だ、という状態がこの “white elephant” です。
Pink elephants
4つ目の熟語は”Pink elephants”です。
whiteの次はpinkの像が来ました!
hallucinations arising especially from heavy drinking or use of narcotics
https://www.merriam-webster.com/dictionary/pink%20elephants
【和訳】
特に大量飲酒または麻薬の使用から生じる幻覚。
飲みすぎて見る幻覚。
単数形の “elephant” ではなく、複数形の “elephants” が使われていること、そしてピンクという色の選択から、かなり出来上がった状態が想像できます。
Merriam Webster英語辞典では、最初にこの意味での慣用句が使われたのは1940年だとしています。
しかし、Wikipediaではジャック・ロンドンが1913年に発表した小説 “ John Barleycorn” のなかで幻覚状態を描写して “blue mice and pink elephants(緑のネズミとピンクの象” としたのがその始まりだとしています。
それ以前の時代には「蛇を見る」とか「猿」「ネズミ」「カバ」など様々な動物が登場していたようです。
カバよりも象の方が身体が大きいので、ピンクの象が表れるほど酩酊状態になるのは、余程の事だと言えるでしょう。
See the elephant
5つ目は色のない”the elephant”です。
次は何色の像?って楽しみにしていた方、申し訳ありません。色のついていない単なる”the elephant”です。
しかし色がない像の場合も特有の意味を持っています。
アメリカ限定の言い回しとの事ですが、その意味を調べてみましょう。
To gain true and valuable life experience of the world, whether negative or positive.
To experience military combat.
https://en.wikipedia.org/wiki/Seeing_the_elephant
【和訳】
それがたとえネガティブなものであろうとポジティブなものでであろうと、真実で価値のある人生経験を積むこと。
軍事戦闘を経験すること。
日本語では「経験を積む」といったろころです。
19世紀半ばから終わり頃にかけての米墨戦争(アメリカ・メキシコ戦争)、南北戦争、ゴールドラッシュの時代に盛んに使われた言葉です。
16世紀終わり頃には “see the lion” と言う慣用句があり、時代を経てライオンが象に代わったのではないか、と言われています。
Kill a fly with an elephant gun
6個目の像にまつわる熟語は ”Kill a fly with an elephant gun” です。
直訳すれば「ハエを殺すのに、狩猟で象に向けるような大きな口径のライフルを使う」ということですが、その意味合いは下記のようなものになります。
To take excessive, over complicated, or extravagant means or force to accomplish something relatively minor or simple.
https://idioms.thefreedictionary.com/killing+a+fly+with+an+elephant+gun
【和訳】
比較的マイナーで単純なことに対処するのに、過度で複雑、おおげさな手段やフォースを使うこと
Doctors often prescribe antibiotics even for minor ailments. They’re trying to kill a fly with an elephant gun.
お医者さんって、ちょっとした症状にもすぐ抗生物質を処方するよね。まさに “trying to kill a fly with an elephant gun” だよ。
Eat an elephant one bite at a time
今回最後にご紹介するのは”Eat an elephant one bite at a time”です。
To accomplish a large goal by doing smaller, cumulative tasks.
https://idioms.thefreedictionary.com/eating+an+elephant+one+bite+at+a+time
【和訳】
大きな目標を達成するには、小さくて積み重ねていくことが可能なタスクを実行していくことだ
日本で同じような意味を持つ慣用句としては、「千里の道も一歩から」でしょうか。
この慣用句は1940-50年頃に人気の言い回しとなりました。その起源は中国だと言われています。
同じような意味を持つ言い回しには、”One step at a time” があります。
こちらの方は、直接的な言い回しですね。
さいごに
象が出て来るイディオムには色々なものがあり、簡単に意味を予想できるものから、詳しく説明されないと意味が分からないものまで様々です。
では、最後に毎日英語を頑張って勉強している皆さんにエールを送る一言を!
Here’s a good news:You’re one step closer today than you were yesterday. Keep it up.
すっごく良いニュースがあるんだ:今日は昨日よりもう一歩(目標に)近づいてる!このまま頑張って!
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんの英語学習を応援しています。
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