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世界も注目!日本発のニュース「週休3日制」の英語記事を解説します

Hank

こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
英検 1級、TOEIC960

突然ですが、

「今年下半期から我が社も週休3日を導入します」


そんな通達が出たら、あなたはどんなリアクションを取るでしょう?

「やったぁ!これでもっと英語の勉強に時間を使えるぞ!」
「先生から勧められた洋書、この機会に読んでみようかな?」


受講生からそんなコメントが聞きたいところです。


政府が2021年6月に発表した経済財政運営の柱となる「骨太の方針」に、希望する人は週休3日を選べる「選択的週休3日制を盛り込んだことで、ネットでは様々な議論が巻き起こっています。


お休みが増えることを喜ぶ声よりも、

「給料が減るんじゃないか?」
「働く日の労働時間が増えるんじゃないか?」
「週休3日制を選んだら出世に響くんじゃない。。。」

という不安の声が多いような気がします。


24時間戦えますか?」のCMソングに励まされて日夜頑張って働いていた世代からは、「今更休みが増えてもすることないよ。。。。」という本音もちらほら聞こえてきそうです。

「24時間戦えますか?」のCMはこちら↓



週休3日制に関しては、世界的にも関心が高く、”4 day work week” はグーグルサーチで40億を超えるヒットがあります。

日本式の “3 day weekend” の場合はヒット数は15億ほどです。


どちらも関心の高いトピックですが、海外では ”4 day work week” の方が分かりやすいかもしれません。

ここでは海外の記事の中での言い回しで ”4 day work week” とされているものは、週休3日としています。


ITジャイアントのマイクロソフトが日本で実施した週休3日制の取り組みに関しては、海外でも注目を集めています。

英語学習者向けの海外ニュースサイト “Breaking News English” でも、日本の週休3日制の成果について紹介しています。

この英文記事を解説しながら、週休3日制について考えてみたいと思います

英文ニュース解説

今回は、Level 4-6の記事のうちLevel 4を基に解説していきたいと思います。この記事では簡単すぎる、と言う人は是非Level 5やLevel 6に挑戦してみてください!

A 4-day work week in Japan increased productivity

Microsoft trialed a four-day working week in Japan. Workers’ productivity and job satisfaction improved. Workers had every Friday off as paid leave in August.
It (= the “Work-Life Choice Challenge”) included limiting meetings to 30 minutes and asking workers to chat online rather than face-to-face. Microsoft said electricity bills were down by 23 per cent and 59 per cent fewer pages were printed compared with August 2018.

https://breakingnewsenglish.com/1911/191107-4-day-work-week-4.html

【すぐに使える便利な言い回し】

A four-day working week
週休3日制、four(4) なのに単数を表す “a” がついていて戸惑うかもしれませんが、この場合は “four-day” が一つの単位なので冠詞に “a” がついています。


A dozen
(=1ダース=12)と同じコンセプトです。


Job satisfaction
仕事に対する満足度・働きがい


Paid leave
有給休暇


Limit (something) to (something)
をto以下に制限する


A rather than B
BよりもむしろA、BでなくてA


Face to face
実際に顔を合わせて、対面で


Down by 23%
23%減少。23%まで減少の場合は、”down to 23%”

【和訳】
日本で実施された週休3日制は、生産性を向上させた。
マイクロソフトが日本で週休3日制のトライアルを実施しました。従業員の生産性と仕事に対する満足度が向上しました。
従業員は、8月の毎金曜日を有給休暇として支給されました。
“Work-Life Choice Challenge” (と名付けたこの取り組み)には、会議の時間を30分に制限したり、 対面ではなくオンラインチャットを使用するように推奨することが含まれています。
マイクロソフト社は、2018年8月と比較して電気代が23%減少し、書類の印刷ページ数が59%減少した、と述べています。




従業員の満足度も向上して、会社の経費も節減できたのなら良いことづくめのような気がしますね。

マイクロソフトは日本に拠点を置く巨大な外資企業です。
このマイクロソフトが週休3日制を成果があると考えたのなら、海外でも週休3日制を取り入れている国や企業は多いのでしょうか?


海外での週休3日制に対する反応を調べてみましょう。

週休3日制:ちょっと気になる3つのパターン

現在、週休3日制には3つのパターンがあります。

パターン1
労働時間を削るとともに基本給も減少。単純計算で、週休3日になると基本給が2割減ると言うこと。


パターン2
基本給も労働時間もそのままで、勤務日の勤務時間を増やす。単純に考えると一日8時間労働から10時間労働になる、と言うこと。


パターン3
労働時間は減らし、給料は変更なし。上記の記事のマイクロソフトの試みはこのパターンになります。

週休3日制を試してみた国・企業

日本でマイクロソフトが実施した週休3日制のトライアルは世界でも話題になりましたが、世界の色々な国でも週休3日制への取り組みは試行錯誤されています。

Better Workplaces Better Worldというウェブサイトでは、週休3日制を試した国と企業を紹介しています。


この記事では、スペインでは政府の支援の下で週休3日制の導入実験が行われる、と報じています。

the government will distribute 50 million euros (approximately $60.13 million) among 200 companies that volunteer to test a four-day, 32-hour workweek for 3,000 to 6,000 employees in Spain for up to three years.”

https://www.shrm.org/resourcesandtools/hr-topics/global-hr/pages/countries-experiment-with-four-day-workweek.aspx

【和訳】
スペイン政府は5,000万ユーロを、週の労働時間32時間で週休3日制のトライアルを行う、従業員数3-6,000人規模の200社に対して、3年を上限に支給することとしました。


NZでも、2018年に私企業が週休3日制に取り組んでいます。

In 2018, New Zealand estate planning firm Perpetual Guardian tested a four-day workweek, paying staff for 37.5 hours but requiring only 30 hours and the same work output. Based on the results, which included reduced stress and better employee engagement

https://www.shrm.org/resourcesandtools/hr-topics/global-hr/pages/countries-experiment-with-four-day-workweek.aspx

【和訳】
2018年にはNZの財産管理会社、Perpetual Guardian社が、37.5時間分の給料を支払いながら、30時間の労働で同様の成果をあげることで週休3日制とするトライアルを実施しました。その結果ストレスレベルの低下、従業員のやる気の向上など結果を得ました。



週休3日制に関しては、NZのジャシンダ・アーダーン首相も
コロナの感染拡大を防止するのに効果的な働き方の一つとして考えられる、
と述べています。



2021年3月30日付のロイターの記事では、ドイツ最大の労働組合が週休3日制に関する合意に達したと報じています。

Germany’s largest trade union, IG Metall, agreed a 2.3% wage increase, to be paid either in full or as part of a switch to a four-day week, in a key industrial region, setting the benchmark for 3.9 million metal and engineering workers nationwide.

https://www.reuters.com/article/us-germany-wages-idUSKBN2BM1PY

【和訳】
ドイツ最大の労働組合IG Metallは、主要な工業地帯において、2.3%の賃金引き上げに合意しました。これは全額、若しくは週休3日制への切り替えの一環として支払われるものです。これにより全国390万人の金属及び技術労働者に対するベンチマークを設定しました。



この他でも、アイスランドで実施された週休3日制のトライアルでは、生産性に変更はなく幸福度が向上した、というニュースは日本語でも紹介されたので、目にした人もいることでしょう。


政府が支援してくれたり、仕事の成果が変わらなければ労働時間が減っても給料額は変わらなかったり、はたまた週休3日でなおかつ賃上げもできちゃったら、自分も週休3日制選んじゃうかも、っと思ってしまいます。


実際に週休3日制を体験した人たちは、ストレスレベルも下がってるみたいだし、仕事の生産性も上がってコストダウンも実現してる、企業にとっても働く人たちにとってもWin/Winのような気もします。

週休3日制で懸念されるのはどんなこと?

日本企業を対象としたネット記事では、週休3日制のデメリットとして以下が列挙されています。

  • (1)これまで通りの業務をこなせないリスクがある
  • (2)コミュニケーションの量が減る
  • (3)給料が減少する
  • (4)制度の見直しや新たな構築の時間が必要になる
  • (5)ビジネス機会の損失に繋がる

それでは、海外ではどのような点が懸念材料だとされているのでしょうか?


アメリカのChangeリクルートメント社は、自社のウェブサイトのコラムで『週休3日制の長所と短所』をあげています。


アメリカのある役所で行われたトライアルでは、顧客満足度の低下、が短所だと言う結果が出ています。
金曜日に窓口が閉まっていることで、利用者が役所にコンタクトできない、と言うことが不満としてあがって来たのです。


又、従来5日間にわたっていた労働時間を4日間に集約した例では、従業員のやる気やストレスレベルが上がってしまった、と言う結果も出ています。


これらの点に関しては、AIや自動音声による案内の充実や、週休3日制を成功させるには休みの日にちだけを増やすのではなく、労働時間を減らすことが重要であると述べています。


bizfluentというウェブサイトでは、5日間の労働時間を4日間に集約する事を前提とした場合の懸念材料として、以下を指摘しています。

  • (1)一日当たりの労働時間が2時間増えることによる職場での事故の危険性が高まる
  • (2)小さな子供がいる家庭では、長時間保育を受け入れる託児所を探すのが難しい場合がある

週休3日制の3つのパターンのどれを前提にするかによって、それぞれの記事が掲げる週休3日制の長所・短所も異なってくることが分かります。

又、業種によっては週休3日制の導入が難しいところも当然あるでしょう。


もっと長時間働きたいと希望する従業員への対応、も企業としては重要なものです。(日本は既にかなりの長時間労働社会なので、今以上に長時間労働を希望する人は少ないと思いますが。)


個人的には、一日の労働時間の増加を懸念する記事は多く見かけましたが、収入が減ることを懸念する記事がなかった事が印象的でした。

イギリスで書かれた記事では労働時間は減少するけれどそれは収入に影響しない、と言うものがあったので海外ではこれが一般的な方針なのかもしれません。(時給で働いている場合は、当然この限りではありません。)

さいごに

いかがでしょうか?「選択的週休3日制」があなたの会社で導入された時に、自分がこの制度を利用するかどうかを考えるきっかけ作りのお手伝いができたでしょうか?


今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました!

皆さんの英語学習での成功を心から願っています!
頑張りましょう!

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