英語解説
2021年7月7日
Perseveranceを解説!アメリカのトレンドワードになった日
皆さんこんにちは。
ステューディアス英語学院のHankです。
今日は2021年2月にMerriam Webster英語辞典で、2,300%の検索数の伸びを見せるトレンドワードになった”Perseverance”を取り上げます。
”Perseverance”は、英検準一級・TOEIC730点以上レベルの言葉です。
『忍耐』『忍耐力』『根気』『我慢』などの意味を持つ、日本人(というか日本の政府や企業)が大好きそうなことばですね。
今回は、”perseverance” を取り上げ、その意味・発音など共に何故この言葉がトレンドワードになったのか、スグに使える”perseverance” を使った名文などを紹介していきたいと思います。
目次
”Perseverance” の意味
”Perseverance” は、14世紀にラテン語で『通り抜ける』を意味するper-と、『厳しい』を意味する ”severus” が合わさった「厳しく続ける」を語源として誕生しました。
19世紀初頭に使用頻度のピークを迎えましたが、その後は緩やかな下降曲線を辿り、20世紀後半頃にはピーク時の10%程度にまで使用頻度が落ち込んでしまいました。
近年再び少しずつ使用頻度が上がってきています。
日本でも近年『根性』『忍耐』という言葉はあまり聞かれなくなりましたが、これは英語圏でも同じようなトレンドになっているのですね。
英辞郎On the Webによれば、”perseverance” は、次のように定義されています。
(賞賛すべき)忍耐(力)
https://eow.alc.co.jp/search?q=perseverance
粘り強さ
根気(強さ)
不屈の努力
キリスト教・カルヴァン派の堅忍(不可算名詞)
カルヴァン派は、
『キリスト教のプロテスタントの教義で、聖書を最高の権威と考え、組織的な神学を樹立し、厳格な信仰生活を強調している』
という宗派なので、修業はかなり厳しそうです。
不屈の努力の先には救いがある、ということでしょうね。
小学館プログレッシブ英和中辞典では、以下のように定義しています。
忍耐力
https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/perseverance/
粘り(強さ)
(神学での)堅忍,恩恵,究極の救い
日本の昭和時代、1964年東京オリンピックでの女子バレーボールチーム『東洋の魔女』、アニメ『巨人の星』『あしたのジョー』『アタックNo.1』などと切っても切れない言葉ですね。
仏教にも『精進』という言葉がありますが、英語版のWikipediaでは訳語の一つとして “perseverance” を紹介しています。
Merriam Webster英語辞典では、“perseverance”を 次のように定義しています。
continued effort to do or achieve something despite difficulties, failure, or opposition : the action or condition or an instance of persevering.
https://www.merriam-webster.com/dictionary/perseverance
【和訳】
困難、失敗、または反対にもかかわらず、何かをしたり達成したりするための継続的な努力:アクション・コンディション若しくは忍耐の例
例えば、体重をコントロールするために毎日必ず1時間ジョギングする人や、忙しくても毎日必ず英語の勉強をするという自分で決めたルーチンを守り切る、などと言ったことが “perseverance” の身近な例でしょう。
類似の意味を持つ言葉には、”persistence” “determination” “patience” “endurance” “dedication” “commitment” “diligence” “grit” などがあります。
派生語には『辛抱する』『我慢する』『屈せずにやり通す』などの意味を持つ動詞 “persevere”があります。
”Perseverance” の発音は、アメリカ英語の発音を発音記号で示したものが [pə̀ːrsəvírəns] = パァサヴィランス、イギリス英語の場合は [pə̀ːsivíərəns] = パースィヴィアランス、となります。
音節がper・se・ver・ance と4つになっているので、中々難解な単語です。
Youglishのリンクをこちらに張っておきますので、発音を確認してくださいねhttps://youglish.com/getbyid/19695503/Perseverance/english/us
何故 “perseverance” がトレンドワードになったんだろう
2021年2月にNASA(米航空宇宙局)の火星探査車が無事火星に着陸しましたが、この探査車の名称が “Perseverance” だったので、一気に辞書での検索数が増えたようです。
一気に2,300%も検索数が増えたという事実が、『不屈の努力』『忍耐力』と言った言葉が、英語圏でも日常的に目にする言葉ではなくなってきている、という事実を良く表しています。
この火星探査車に “Perseverance” と言う名前を付けたのが、バージニア州Fairfaxカウンティの8年生(日本の中学一年生)Alex Mather君(13歳)。
火星探査車の名前募集のコンテストに応募した彼は、応募エッセイの中で 次のように述べています。
The human race will always persevere into the future … We as humans evolved as creatures who could learn to adapt to any situation, no matter how harsh. We are a species of explorers, and we will meet many setbacks on the way to Mars. However, we can persevere. We, not as a nation but as humans, will not give up.
https://www.energy.gov/nnsa/articles/story-perseverance-how-mars-2020-rover-got-its-name
【和訳】
人類は常に未来に向かって忍耐強く進んでいきます。。。。私たち人間は、どんなに過酷な状況であってもそれに適応できる生き物として進化しました。私たちは探検家で、火星に向かっていく時にもいくつものセットバックを経験するでしょう。それでも私たちは辛抱強くあり続けます。国家としてではなく人間として、決してあきらめることはありません。
Alex君は、コンテスト応募時は7年生(小学生)だったとの事ですが、小学生とは思えない文章力に脱帽です。
火星探査車の名前の名前が決まったのは2020年7月ですが、”Perseverance” が火星に無事到着したのは2021年2月、アメリカでもコロナとの戦いの真っ最中と言うことで、『忍耐』を表す “perseverance” に一気に注目が集まったものと思われます。
Perseverance vs Persistence vs Determination
日本語にも、困難に耐えて物事を推し進めていくという意味の単語がいくつもある様に、英語でも “perseverance” と類似の意味を持つ言葉には様々なものがあります。その中からいくつかの単語について意味の細かな違いを見ていきましょう。
Perseverance vs Persistence
英語圏で働くプロフェッショナルに人気のネットワーキングアプリLinkedInでは、”perseverance” と “persistence” の違いを以下のように説明しています。
Persistence is the choice to continue something, in spite of difficulty and opposition, and struggle to achieve that goal. The single-mindedness of a person brings out the dedication that he or she wants and needs in order to achieve their dream.
https://www.linkedin.com/pulse/difference-between-persistence-perseverance-terry-magelakis
Perseverance is the continuation of commitment through action in spite of the lack of success.
【和訳】
”Persistence” とは、困難と反対にも関わらず、何かを継続し、苦労しながら目標を達成すると選択することです。ひたむきさが目標を達成するのに必要な献身さを引き出すのです。
”Perseverance” とは、たとえ成功しなくても(その目標に向かって)コミットし続けていくと言うことです。
この記事では、成功するためには “persistence” よりも “perseverance” の方が、重要な要素であると述べています。
その理由は、“perseverance” の方が困難にあってもそれを耐え忍んでいくというスタミナが込められた言葉だから、ということです。
**”Persistence” は、『執拗な』『しつこい』と言ったネガティブな意味合いも含んでいるので、注意しましょう。
例文
- His persistence paid off.
彼の粘り強さが実を結んだ 〈ポジティブな意味〉 - She was disgusted at his persistence.
彼女は彼の執拗さにウンザリしていた〈ネガティブな意味〉
Perseverance vs Determination
“Determination” には、『決意』『決心』などの意味がありますが、『やる気=モチベーション』をテーマにしたウェブサイト “MOTIVATION” では、”determination” は “perseverance” よりもスパンの短いものだと論じています。
「さぁ、やるぞ!」と決断して物事を初めても、当初のエネルギーが切れてしまったらそこで頓挫してしまう。
ダイエットにいつも失敗している自分の事を言われているようです。
”I am determined to lose 3kg!!(さぁ、絶対3キロ減らすぞ!)” とダイエットを始めても、いつの間にかコンビニでアイスを買っている、という自分の姿を思い出します。
“Perseverance” には、長期的な目標を見据えて途中で困難に遭遇しても頑張り続ける、という『長期戦を見据えた忍耐力』というニュアンスがあります。
Perseveranceを含んだ名文の数々
最後に、目標に向かって仕事も英語の勉強も頑張るビジネスパーソンの皆さんに、”perseverance” を含んだ名文の数々を紹介したいと思います。
【和訳】
自分でやろうと決心したことはどんなことでもできるって覚えておいて、でもそれには行動を起こして、忍耐強く、そして自分の恐怖心に向き合わなきゃダメよ。
【和訳】
成功への鍵は行動だ。そして行動の基になっているのは忍耐力だ。
【和訳】
忍耐力をもってすれば、すべての目標は達成することができる。
今日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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