英語解説
2021年6月17日
【英単語 Pretentious】ネイティブも調べる英単語を徹底解説!
(この記事は2023年6月14日に更新しました)
こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです!
働きながら英語を身につけようと日々努力する社会人を支援する英語講師です。
英検 1級、TOEIC960
今日は ”pretentious”という単語を紹介します。
この “pretentious”は Merriam-Webster英語辞典オンラインで最近注目されている単語の一つに選ばれています。
“Pretentious” は、19世紀半ばにフランス語の “prétentieux = 大げさな” を語源として誕生した、比較的新しい言葉です。
誕生後は20世紀初頭まで高頻度で使われていましたが、その後20世紀終わりにかけて緩やかに使用頻度が下がり、今世紀になってからまた急激に使用頻度が上がって来た言葉です。
“Pretentious” は初めて聞いたという人もいるかも知れません。
しかし
・イギリスのロックバンド “The Pretenders = ザ・プリテンダーズ”
・Official髭男ismの“Pretender = プリテンダー”
・日本のアニメ ”GREAT PRETENDER = グレート・プリテンダー”
などで似たような単語に接した人は多いかと思います。
この記事では、”pretentious” の意味や使い方、この言葉が注目される理由を探ります。
それでは行きましょう!
宜しくお願いします。
目次
Pretentious の意味
まずは意味の確認です。
英和辞典と英英辞典の意味を確認しました。
先に書いてしまうと、意味はこちらです。
Pretentious の意味
- 小学館プログレッシブ英和辞典
〈人が〉思いあがった、うぬぼれた - Vocabulary.com
Use the adjective pretentious as a way to criticize people who try to act like they are more important or knowledgeable than they really are.
詳しく見ていきましょう。
小学館プログレッシブ英和辞典
小学館プログレッシブ英和辞典は、”pretentious” を社会人必須レベルの単語としてリストアップしています。
形容詞
https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/pretentious/
〈人が〉思いあがった、うぬぼれた
〈態度・話し方などが〉横柄[尊大]な
〈物などが〉大げさな、大掛かりな、
などの意味を持ちます。
実際に海外で生活していると、”pretentious” は物に対してよりも、人に対して使われることが圧倒的に多いことを実感します。
物事に対しては、芸術作品を評する際に主に使われています。
He’s a pretentious snob.
あいつは思いあがったいけ好かない奴だ
では、英語辞典では”pretentious” はどのように定義されているのでしょうか?
Vocabulary.com
Vocabulary.comでは”pretentious” は以下のように定義されています。
Use the adjective pretentious as a way to criticize people who try to act like they are more important or knowledgeable than they really are.
it is an adjective that fits the bill for describing someone who’s only concerned with making an impressive appearance
https://www.vocabulary.com/dictionary/pretentious
【和訳】
自分を実際以上に重要だと見せかけたり、知ったかぶりをする人を批判する時に用いる形容詞
周りの人に見た目の良さだけを印象付けることにしか興味を持っていない人を、的確に描写する形容詞
fits the bill
要件を満たす、満足させる
impressive appearance
印象的な外観、見た目の良さ
これだけ見ても、ものすごくネガティブな言葉だと言うことが分かります。
原型の “pretentious” だけでも強烈にネガティブで皮肉にあふれた言葉なのに、”more pretentious” や “most pretentious” などと言われたら・・・。
恥ずかしくて、立ち直るのに時間がかかりそうです。
He is the most pretentious person I have ever met.
彼は、今まであった人の中で一番のうぬぼれやだ。
“pretentious” が注目される理由
英語版2ちゃんねる “Reddit” では、定期的に “Pretentiousなセレブ” に関するスレッドが立っています。
ここでいつもやり玉に挙がっているのが、リアリティTV番組「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」に登場するカーダシアン家の皆さん。
”Famous for being famous” と言う言い回しがあります。
これは
理由もないのにセレブの地位を手に入れ、その後そのステータスのおかげでますます有名になるさまを揶揄した言葉
です。
カーダシアン家の皆さんは、そもそもどうして有名になったのか分からないけれど、超有名になり、お陰でトランプ大統領をホワイトハウスに訪ねたり、自身の立ち上げた化粧品ブランドは大成功し、と家族全員大活躍です。
次回の選挙では州知事に立候補するという噂まで出てるほどです。
このご家族、話し言葉のアクセントまでが “pretentious” だとアンチからは散々にディスられています。
同様に、普通の人たちがブログやインスタグラムなどを通じて「インフルエンサー」という立場を手に入れると、その言動に “pretentious” だという批判が起きることも多いようです。
先日も、「インフルエンサー」の女性がビジネスクラスの空の旅をエンジョイしているようにSNSに投稿していたが、実際はエコノミークラスに搭乗していた、という出来事がありました。
これこそ “pretentious” の良い例ですね。
SNSが大人気になったことで、必要以上に自分が素晴らしいと他者に印象付けようとする人(=見栄っ張り?)が増えてきたことが、”pretentious” という言葉の使用頻度が増えていることと、密接に関連しているようです。
“Pretentious” と “pretender” ってどう使い分ければいいんだろう?
Vocabulary.comでは “pretentious” と “pretend” は関連する言葉だと明記しています。
“pretend” は、「○○のように偽って見せかける」を意味する動詞で、その名詞が “pretender” です。
自分を実際以上に素晴らしいと印象付けようとする事を形容するのが “pretentious”
自分を別のものに偽って見せかける人を指すのが “pretender”
こう考えると、その違いが分かりやすくなります。
だから詐欺師をテーマにしたアニメの題名は ”GREAT PRETENDER” になるわけです。
それでは、次に英文の違いは何でしょうか?
He is a pretentious person.
He is a pretender.
例えば、職場でどんな話題にも口を挟んできてまるで専門家のように(時には間違っていても)知識を披露する人がいたら、その人は “pretentious person” と形容されます。
一方、実際はもってもいない資格をあたかも持っているかのように主張したり、資格保持者のように振る舞ったりする人がいたらその人は “pretender” になります。
同僚とちょっと噂話、という場面でも言葉の選び方一つで後々思わぬとばっちりを受けることがありますから、特にネガティブな言葉の場合は慎重に言葉選びをしたいものです。
誰かに “pretentious” って言われたら・・・
いつも自然体でいたいとは思いますが、人間ですから誰でも自分を実際より良く見せたいと思うこともあります。
そんな時、誰かから “pretentious” だってレッテルを貼られたら落ち込んでしまいまいそうです。
アメリカのユタ大学のウェブページでは、以下のように述べています。
Being pretentious is a bad idea for several reasons: it alienates people, it suggests you’re smarter than perhaps you actually are, and it invites unfriendly scrutiny. Moreover, it’s just irritating
http://www.usu.edu/markdamen/WritingGuide/CGGS/380pretentiousintro.htm
和訳
Pretentiousであることはいくつかの理由でお薦めできません:人を阻害してしまうし、自分が実際よりも優れてると他人に示唆し、人から批判される種をまいているようなものです。それ以上に単純に苛立たしいものです
しかし、それほど悪いことばかりでもありません。
The Guardianでは、”pretentious” という言葉は誰かが第3者に対して貼るレッテルでしかなく、常にその人の基準で考えての評価だと定義しています。
”Pretentious” だと評された人が自分の事を “pretentious” だと考えていることはほとんどない、とも述べています。
自分自身が “pretentious” だと思っていない限りは、他人からの評価など、ダメージジーンズが最高におしゃれだと思っている人が、トラッドスタイルをダサいと評するくらいのインパクトしかない、というわけです。
問題なのは ”pretentious” が進んで “arrogant = 傲慢” や “snob = 上流気取りで上に媚び下を見下す” 態度になってしまう時。
つい余分なひとことや、時に知ったかぶりが出てしまっても大丈夫です。
時々自分の態度の “reality check” を行いながら、ストレスをためずに過ごしていきましょう。
さいごに
今日は”pretentious”という単語を取り上げました。
ネイテイブも調べる単語ですが、多くの例を出したので、単語のイメージをつかんでいただけたかと思います。
人間天狗になって傲慢になりかけることもあるかも知れません。
ただ、それも井の中の蛙で、ちょっと外に出ると、自分はまだまだだなぁって思い知らされることもあると思います。
英会話スクールの初級クラスで周りよりもちょっと話せるからって、クラスを変えたら、レベルが違いすぎて話題についていけなかったことも、私は経験しました。
まさに初級クラスで天狗になっていた自分です。
人前で自分の英語を全否定されて、英語が怖くなったこともありました。
そんな辛い経験をしながらも、今は英語を教える立場になっています。
とは言いつつ、私は留学経験もありませんし、まだまだ学ぶことも多いです。
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この記事が、みなさんの英語学習の助けになれば、嬉しいです。
最後までお読みくださり、本当にありがとうございました!
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