英語解説
2021年4月28日
【英単語解説 emerge】語源・意味から類語・派生語まで徹底解説
(この記事は2023年6月27日に更新しました。)
“Emerge” はたかだか6文字からできている単語ですが、中々手ごわそうな予感がしますね。
見た目が似ている単語、“image=イメージ” や“emergency=エマージェンシー” は日本語の中でもカタカナで使われることも多く、意味もとらえやすいですが、”emerge=イマージ/エマージ“ はなかなかお目にかからない単語です。
今回は、この ”emerge” を
- 語源
- 意味
- 類語
- 派生語
の順で分かりやすく紐解いていきます。
それでは、できるだけ分かりやすく解説していきますので、emergeを完全に身に付けたいという方は、最後までお付き合いください。
これを書いているのは、転職を機に英語が必要になり、もがきながら英語を身に付けたHankです。
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目次
“Emerge” の語源・意味
まずは、語源と意味を確認していきましょう。
“Emerge” の語源
それでは、まずは語源を確認しましょう。
この語源はズバリ
「ラテン語の外に出るを表すeと水に浸すのmergereが合体したもの」
です。
「浸っていた水から出る」そんなイメージです。
Oxford英語辞典では、”emerge” の語源は、以下のように説明されています。
late 16th century (in the sense ‘become known, come to light’): from Latin emergere, from e- (variant of ex- ) ‘out, forth’ + mergere ‘to dip’.
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/emerge
和訳
16世紀後半に
『知られるようになる、日の下にさらされる=露見する』
のような意味合いとして使われるようになったもの。
ラテン語の “e‐(ラテン語の ”ex-“ から派生。『外に出る』の意味)とラテン語の “mergere(水に沈めた)“ をつなげ、『現れ出る』という意味となった。
ちょっとこれだと難しいので、先程の「浸っていた水から出る」イメージを持ってみて下さい。
例えば、ゴジラが突然海から現れる様子ですね。
“Emerge” の意味
“Emerge” は動詞です。Eゲイト英和辞典によれば、
(“from/out of” と共に)(水中・暗やみなどから)現れる、出てくる
https://ejje.weblio.jp/content/emerge
(問題や事実が)明らかになる
(逆境などから)浮かび上がる、抜け出す
”as” を従えることで、○○として頭角を現す
などの意味があります。
Oxford英語辞典では、動詞として:
to move out of or away from something and become visible.
何かから移動するまたは離れることで、目に見えるようになるbecome apparent or prominent.
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/emerge
明らかになる、目立つようになる
(of facts) become known.
知られるようになる
recover from or survive a difficult situation.
難しい状況から回復する、または生き残る)
などの意味が紹介されています。
“emerge”は第二次世界大戦終了までの間は、あまり頻繁に使われる言葉ではありませんでした。
しかし、1980年代以降の経済ニュースで、先進国の水準には達しないものの急成長を遂げている、
BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)を指す “emerging economy(エマージング・エコノミー)“ や
“emerging countries(新興国)” “emerging markets(新興市場)“
という言葉をよく見かけるようになりました。
また芸術やスポーツの分野で “emerging talent(期待の新星)“ などと言う表現も良く目にするようになりました。
「新たに出現した勢いのある存在」というニュアンスです。
日産の高級車ブランドであるインフィニティには、EVスポーツコンセプトカーで2012年3月、ジュネーヴモーターショーの場で公開された『エマージ』という車名があります。
たった4秒で停止状態から時速60マイル(約96km)まで加速し、30秒で130マイル(約209km)/hへ加速する力強さ、そして流線型のフォルムが、”emerge” という言葉の意味を良く体現していると言えるでしょう。
ネイティブの発音は「イマージ」と聞こえる時も「エマージ」と聞こえる時もあります。
発音記号は[ɪˈmɜːrdʒ]で、short ɪはイともエとも聞こえる音だからです。
どちらが正解・不正解、と言うことはありません。
ちなみに日本では「イケア」と言われている家具ショップの “IKEA” は、オーストラリアでは「アイキア」と言われ、日本の自動車メーカー “いすゞ” も「アイスズ」と呼ばれています。
テレビのCMでもこの呼び方なので、オージー英語ではこれが企業も認める正しい発音なのでしょう。
先日アメリカのマスターズ大会で見事優勝を果たしたプロゴルファーの松山英樹さんも、こちらのスポーツニュースでは、「ハイデキ・マツヤマ」と紹介されていました。
これではご本人も誰の事か分からないかもしれませんね。
“Emerge” と同じような意味で使われる類語
英語を学習する際に、同じような意味を持つ言葉を調べておくことはとても大切です。
使いたい単語を度忘れしてしまった時(緊張しているとしょっちゅうそのような場面にぶつかります)や、言い換えて説明した方が分かりやすい場合など、同じような意味を持つ言葉を知っていると役に立つ場合が沢山あります。
また英語をいちいち日本語に訳して意味を理解するのではなく、英語を英語として理解するトレーニングにもなります。
“Emerge” 自体は日本であまり目にする言葉ではありませんが、同じような意味を持つ言葉で私たちにも馴染みのある単語はあるのでしょうか?
Thesaurus.comというオンラインの類語辞典では、単語の類語を意味が近いもの順に色分けして紹介しています。
類語として
- appear
- arrive
- come up
- materialize
- loom
- rise
- show
- surface
- turn up
などを紹介しています。
Godzilla emerges from the sea.:ゴジラは海から忽然と姿を現す。
を
Godzilla rises from the sea.
Godzilla looms from the sea.
と言い換えることが可能だと言うことです。
ただし、様々な意味を持つ単語の場合など、そのまま類語を当てはめてしまうと、英語のニュアンス的に話者の意図と合わない場合も出てきます。
ネイティブに確認したり、Googleなどでその文章を入力して調べるてみることも大切です。
例えば “Godzilla arrives from the sea.” と言っても文法的には間違ってはいませんが、ゴジラのどう猛さや突然現れる様子は伝わらなくなってしまいます。
いちいち言葉を置き換えてチェックするのは、最初は面倒に思える作業ですが、英語のニュアンスをいちいち日本語に訳さなくても推察できるようになれば、徐々にふさわしい単語を選ぶことができるようになります。
ラテン語の “mergere “ からの派生語
冒頭で “emerge” の語源を紹介した際に、ラテン語の “mergere(沈める・水に浸す)“ と、同じくラテン語の “e‐(外に出る)を併せて、”emerge(現れ出る)” が誕生したことは紹介しました。
同じように生まれた単語は、他にもいくつかありますので紹介します。
- Merge
エクセルやワードでいくつかのファイルを一つにまとめたりする時、日本語でも「マージする」は良く使われます。
ビジネス英語では『統合する』『合併する』という意味で使われることが多く、企業の合併を報道するニュースなどでよく聞かれる言葉です。
名詞が “merger” で、80年代以降日本でも良く目にする “M&A” は “merger and acquisition(合併吸収・合併買収)“ の事を指します。
- Submerge
“Sub-” は “submarine(潜水艦)“ などにも使われ、『下に』を意味します。
“Submerge” は『沈める』『沈没させる』『感情を覆い隠す』などの意味を持ちます。
雨が降るのは年間5-6日の中東では道路の排水設備がほとんどなく、雨が降ると道路が冠水することが良くあります。その場合に使われるのがこの “submerge” で、“Highway1 was submerged.(高速道路1号線は冠水した。)” などと使われます。
- Emergency
『緊急』『有事』『非常』と言う意味ですが、日本語でも「エマージェンシー」というカタカナ言葉はよく使われます。
最近ではCOVID-19のパンデミックにより“Many countries have declared State of Emergency.:多くの国が非常事態宣言を発動した。などという文章を良く目にするようになりました。
さいごに
2020年にCOVID-19のパンデミックが始まって以降、世界の各地で経済活動や人の往来に制限がある状況が続いています。
緊急事態宣言の発動などで思ったように行動することができず、夢の実現に向けての一歩を踏み出せずもどかしい思いをしている人も多いかと思います。
しかし、『金持ち父さん貧乏父さん』の著者、ロバート・キヨサキ氏は、このような時にこそ真の起業家が生まれるのだ、と語っています。
“When times are bad is when thereal entrepreneurs merge.“
“Entrepreneurs” を自分の目指しているものに置き換え
れば、このセンテンスは自分だけのエールとして活用できますね。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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