英語解説
2021年4月19日
英単語 upsetを徹底解説!腹が立ったり、悲しかったり、悔しかったりすることを表現
(この記事は2023年6月27日に更新しました。)
海外ドラマ見てると、upsetって単語がよく聞こえてくるけど、一体どんな意味なのかな?
upsetはいろいろな使われ方があって、私たち日本人には、イマイチうまく使えこなせないよね。
今日は海外経験豊富な当学院のスタッフに、そんなちょっと難しいupsetを取り上げてもらいました!
海外で生活していると、“upset” という言葉は、毎日いろいろなところで見聞きします。
“Upset” の部分をわざと訳さずにいくつか例文を紹介してみましょう。
- Upset stomach:胃がupset
- She was upset about ○○.:彼女は○○にupsetしていた
- I am so upset!:すごくupsetしてるんだ!
- Tthe greatest upset in baseball history:野球の歴史の中で最大のupset
- She looked pale and upset.:彼女は青ざめてupsetしているように見えた
等々、何となくニュアンスは分かるけど日本語を当てはめようとすると難しいように思えますね。
この “upset” という言葉、英語圏では経済ニュースからスポーツの実況中継、はたまた芸能ニュースに幼児向け番組まで、あらゆる場面でよく使われます。
今日は、色々な場面で “upset” に出会っても “upset” せずに済むように、その色々な使われ方を探っていきましょう。
・基本的な意味
・I’m upset.の意味合い
・upsetを使った表現
それでは、ひとつひとつ丁寧に解説していきますので、最後までお付き合い下さい
目次
upsetの基本的な意味と使い方
まずは、upsetの基本的な意味を確認していきます。
“upset” は動詞としてだけでなく、名詞・形容詞としても使われます。
動詞のupsetの意味
Weblio英和辞典で調べると、動詞としては、
『(何かを)ひっくり返す』『(計画などを)覆す・ダメにする・狂わす』『(人の)気持ちを動転させる』『心配させる』『腹を壊す』『(ボートなどが)転覆する』『(中身が)こぼれる・散乱する』]
https://ejje.weblio.jp/content/upset
など多様な意味が紹介されています。
語源英和辞典によれば、“upset” のコアの語源は
“overset:ひっくり返す
https://gogen-ejd.info/upset/
“Setup” が『立てる』『建てる』『樹立する』などの意味なので、それがさかさまになった “upset” がまさに『ひっくり返す』という意味になると考えるとイメージしやすいかもしれませんね。
子供が、きれいに片づいている(setupされた)おもちゃ箱をひっくり返して(upsetして)しまった時に、親の心の中に沸き起こってくる様々な感情、つまり
- 「がっかり」
- 「怒り」
- 「頭痛がしてくる。。。」
- 「悲しい」
- 「イライラする」
- 「脱力感」
- 「また片付けるのかと思うとげんなり」
などをすべて表現する言葉と考えると覚えやすいでしょう。
続いて、upset をOxford Learner’s Dictionariesで検索してみましょう。
動詞としての意味には、以下のものがあります。
1:to make somebody/yourself feel unhappy, anxious or annoyed.
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/upset_2
和訳:自分自身若しくは誰かを不幸せにしたり、不安にしたり、イライラさせたりすること
2:to make a plan, situation, etc. go wrong
和訳:計画や状況を失敗させたり困難なものにすること
3:to make somebody feel sick (= want to vomit) after they have eaten or drunk something
和訳:何かを食べたり飲んだりしたことで、胃がムカムカするなど具合が悪くなること
4:to make something fall over by hitting it by accident
和訳:偶然何かにぶつかって、それを倒してしまうこと
形容詞としてのupset
形容詞としては、『気が動転したりうろたえた状態』を表します。
Oxford Learner’s Dictionariesでは以下のように説明されています。
(not before noun) unhappy or disappointed because of something unpleasant that has happened
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/upset_1
和訳:名詞の前には置かれず、何か不愉快なことが起こったためがっかりしたり、不幸な気持ちになること
名詞としてのupset
名詞としては、『転覆・転倒』『混乱状態』『狼狽』『胃痛』『逆転・番狂わせ』を表します。
同様にこちらもOxford Learner’s Dictionariesを見てみると、以下のように説明されています。
(uncountable)a situation in which there are problems or difficulties, especially when these are unexpected
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/upset_3
和訳:不可算名詞として、思いがけなく、困難な状況や問題に置かれること
(countable)(in a competition) a situation in which a person or team beats the person or team that was expected to win
和訳:(可算名詞として、競技において勝てると予測されていたチームや個人が負けを喫すること
ちょっと一息:英語を英語で理解することの大切さ
英会話を始めたばかりの頃は、自分で発言する前に、まず頭の中で自分の話したい文章の『日本語→英語』への変換作業を行い、相手の発言も『英語→日本語』への変換をして常に訳すという作業をしがちです。
英文を読む場合でも、一字一句分からない言葉の意味を辞書で調べ、今回の ”upset” のように多岐にわたるニュアンスを含んだ言葉の場合、かえって分かり辛くなってしまったりもします。
これは、母国語以外の言語を学習する際には誰もが通るステップなので、避けては通れません。
しかしいつまでもこの作業を繰り返していては、外国語を勉強しても一定以上のレベルから上達するのが難しくなります。
かく言う私も、海外留学中は教科書の一ページの半分くらいが分からない単語ばかりで、一晩中辞書と首っ引きでも3ページしか進まなかった、と言うこともありました。(一度の講義で一章進みますから、これではとてもついていけません。。。。)
そんな自分の英語力が目に見えて向上した(ように感じられた)のは、英語を英語で理解するコツをつかんでから。
このきっかけを与えてくれたのが、留学生時代のフラットメイトが読んでいた『Mills & Boon』の恋愛小説でした。
当時のフラットメイトは、中国系のフィジー国籍の女性。
彼女は、あか抜けない女の子が会社の御曹司に見初められて。。。という韓流ドラマのようなお話が大好きで、一晩で1-2冊読んでしまうほど。フラットには彼女が読み終えた本が所狭しと並んでいました。
何故これほど早く読めてしまうのか? その秘密は、①あまり難しいボキャブラリーが使われていない ②ほとんどのストーリーラインが同じである、と言う所にあります。主人公の名前や職業、時代背景は多少違いますが、出てくる単語はほぼ同じ。
難しい形容詞などはすっ飛ばして読んでも大丈夫。でも同じ単語が何度も出てくるので、一冊読み終わるころにはその単語の意味は大体分かるようになっている、と言うわけです。
3か月の夏休みに、日本に戻らずフラットで彼女の本を読んでいた結果、次の学期からは読解力は飛躍的に伸びました。
何より英語を読むと言うことに対するハードルが下がり、教科書の大筋を理解できるとコツを学んだのです。
また英語の単語に英語の意味が当てはまる様になり、英語のニュアンスが少し身近なものにもなりました。
“I’m upset” の意味は状況によって変わってくる
例えば、テニスが得意な友人が普段は自分より格下の相手に負けた時に発する “I’m upset” と、一晩戻ってこなかったペットの事を心配して “I’m upset” と言う場合、Lineメッセージを送ったのに返事が来ない彼・彼女に対して “I’m upset” と言う場合には、同じ言葉でも全く意味あいが異なってきます。
前者の場合は、「悔しい」と言う気持ち、でも後の二つの場合は「心配で心配でたまらない」「心配でもありイライラでもあり」という複雑な気持ちで “I’m upset” が使われています。
相手がどういう気持ちで “I’m upset” と言ったのかは、もっと情報を仕入れなければ判断できません。
言葉はコミュニケーション・ツールです。
友達や同僚が “I’m upset” とメッセージを送ってきたら、
- “What happened?/ What’s wrong?:どうしたの?
- What made you so upset?:何が起きたの?
とボールを撃ち返してあげることが大切です。
言葉のやり取りを通して、どんな時に相手が “I’m upset” という状態になるのか分かってきます。
また、あなたと会話をすることで相手の “upset” が少しでも解消されるなら、あなたの果たしている役割はとても大きなものになります。
日常生活ですぐに使える “upset” を含む言い回し
“Upset” が色々なニュアンスを含む言葉だと言うことはわかりましたが、では実際にはどのように使われているのでしょうか?
以下で紹介する言い回しは、“I’m upset” のように状況によって異なる意味にもなる、覚えておくと便利なものばかりです。
upset stomach
I have an upset stomach.
直訳すれば「胃の調子が悪い」、ですが海外で医者にかかる場合の理由の多くが “upset stomach” でカバーされます。
胃の痛みだけでなく、
- abdominal pain:腹部の痛み
- cramps:胃痙攣
- nausea:吐き気・むかつき
- diarrhea:下痢
などが含まれます。
例文
- Coffee upsets my stomach./ Coffee gives me an upset stomach.
コーヒーを飲むと胃が痛くなるんだ。。。。
Why are you upset?
What’s the matter? Why are you upset?
どうしたの?
どうしてそんなに〈怒ってるの・イライラしてるの・動揺してるの・元気がないの、ets.〉?
など、状況によってさまざまな意味合いで使うことができます。
ただし、“Why are you upset?” と言うのはかなり直接的な言い方で、場合によっては相手を非難しているように響くこともあります。
余程親しい友人とか家族でなければ、
What made you so upset?:何が起きたの?―何があなたを “upset” の状態にしたの?
とたずねる方が良いでしょう。
I’m sorry, I didn’t mean to upset you.
ごめんね、〈怒らせる・悲しませる・動揺させる・イライラさせる、ets.〉つもりじゃなかったんだ。。。。
この場合の ”I’m sorry” は自分に非があるため謝っているのではなく、相手が自分の意図しないことを理由として “upset” している状況を「残念だと思っている=自分は悪くない」という意味合いでの ”I’m sorry” です。
屁理屈のようにも聞こえますが、ネイティブにとっては大事なポイントです。
番狂わせ
10 of the biggest upsets in international rugby history!
ラグビーの歴史に残る大番狂わせ、トップ10
海外のスポーツメディアは、大逆転や弱小チームが競合を破ったなどの大番狂わせな記録を手繰るのが大好き。
ラグビーだけでなく、野球・サッカー、その他ありとあらゆるスポーツで “the biggest upsets” の記録も常時更新されています。
さいごに
今回のテーマ “upset” は英和辞典だけを使って調べると、意味の多様さにただただビックリして「面倒くさいから使わずにおこう」と思ってしまいがちですね。
しかし、英語辞典の中で “unhappy’” “disappointed” が理解できれば、言葉の意味のニュアンスはイメージできますし、「Unhappy の代わりにupset を使ってみようかな」という意欲もわくものです。
英語学習の出発点としては、ニュアンスが実感できることは実はとても大切なのです。
後は、実際の英文の中でその言葉を目にして、状況に即した言葉の意味・使われ方を体得していきましょう。
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