英語解説
2021年1月27日
【使える英文法】現在完了のカギは have!苦手な現在完了を徹底解説
皆さん、こんにちは!
ステューディアス英語学院代表のHankです。
Hankと名乗っていますが、純日本人です。
純日本人ですが、働きながら英語を身に付けて、英検1級も一発合格しました。
現在完了は、英語学習者泣かせの分野です。
・日本語にはないから理解できない
・意味がいろいろあって理解できない
・過去形との違いが理解できない
などなど、現在完了にまつわる疑問をお持ちの方も多いです。
これらの疑問も「have」の意味から考えることで、簡単に理解できるようになります。
これを読めば、現在完了の謎が解けます。
それでは行ってみましょう!
目次
現在完了とは?なんでhaveなの?
まずは基本的な現在完了の復習をしていきましょう。
現在完了になぜhaveが使われるのかについて、いきない切り込んでいきます。
現在完了の形
皆さんが中学時代に習ったように、現在完了の形は、
have + 過去分詞
です。
過去分詞を英語の”Past Participle”からとって、P.Pと覚えている方もいると思います。
学校の先生から「have + P.P」と覚えろ!
と言われたもののなんで
「have +P.P」なの?
というまっとうな疑問を持っている方も多いはずです。
現在完了のhaveの意味
一般動詞のhaveの意味は皆さんご存じの「持っている」です。
この「持っている」の意味が実は、現在完了のhave+過去分詞のhaveにも生きています。
現在完了のhaveは分類上は助動詞ですが、「持っている」というhaveのコアの意味を生かすと、現在完了が分かりやすくなります。
「have+過去分詞」のhaveは「持っている」ですが、過去分詞はどうでしょう?
過去分詞は「やり終えた状態」を表します。
そして、「have+過去分詞」を合わせて
やり終えた状態を持っている
ということを表すようになります。
これが、現在完了を捉える上で大切な考え方になります。
「過去にやり終えた状態を今持っている」こういう風に解釈すると、過去に触れながら、現在の状況を表せるようになります。
過去形とどう違うの?
have + 過去分詞の意味は分かったと思います。
もう少し例文をみながら、理解を深めて、過去形との違いをはっきりさせていきましょう!
大丈夫!絶対理解できます!
「やり終えた状態を持っている」の練習①
I have finished my homework. 私は宿題を終えました。
直訳で、「やり終えた状態を持っている」で理解してみましょう。
I 私は have 持っている finished 終えた状態を homework 宿題を
→「私は持っています、宿題を終えた状態を 」
→「私は宿題を終えています」
大人が英語を理解する上で、きれいな和訳なんていりません。
私たちは翻訳家を目指しているわけではありませんので。
上記のように、英語の語順で理解できるようになることが実践的な英語力の基礎になります。
もしも過去形だったらどうででしょう?
I finished my homework. 私は宿題を終えた。
これは過去に「宿題を終わらせた」という事実を言っているだけで、今の状態は分かりません。
極論、もしかしたら、別の宿題を思い出して、今やっているかも知れません。(現在の状態は分からないので、いろいろな推測は成り立ちますね。)
「やり終えた状態を持っている」の練習 ②
もう一つ例題を見てみましょう。
I have caught a cold. 私は風邪をひいてます。
直訳で現在完了を捉えていきましょう。
I わたしは have 持っています caught かかった状態を a cold 風邪に
→「私は持っています、かかった状態を、風邪に」
→「私は風邪を引いています」
これは、風邪をひいて、今も風邪にかかっている状態を表します。
それでは、過去形にした場合はどうでしょう?
I caught a cold. 私は風邪をひいた
「過去に風邪をひいた」という過去の出来事は分かりますが、今の状況には触れていません。
ですので、例えば今はきっと「治っている」という想像も可能になります。
このように、過去形は過去の出来事だけを表現し、現在完了は、過去の出来事+現在の状況を同時に表現することができます。
日本語でも理解してみよう
これは私が愛用している文法書からの説明です。
私たち日本人が得意な日本語を利用して、現在完了を理解してみましょう。
日本語の「~している」は現在と過去を同時に表せる表現です。(進行を表す場合もあります)
The train arrived at the station. 電車が駅に到着した
The train has arrived at the station. 電車が駅に到着している
上の過去形では、「到着した」という事実を知ることが出来ますが、今も電車が駅にあるかまでは分かりません。
すでに発車しているかもしれません。
しかし、現在完了形ではどうでしょうか?
「到着している」という日本語の響きから、電車はちょっと前に到着して、今もホームにある。そんな意味が伝わってきます。
参考:日本語で理解する英文法 川村健治著
いかがでしょう?
分かりにくい現在完了も日本語の助けを借りると分かりやすくりますね!
現在完了の3つの使われ方
現在完了のコアの捉え方が分かったところで、具体的な使われ方をみていきましょう。
現在完了には3つの大きな使われ方があります。
これらを順に説明していきます。
問題は、3つの意味のうちどの意味が適切になるのかを自分で判断しなければならないことです。
そののヒントになるのが一緒に使われる副詞です。
ですので、一緒に使われる副詞も併せて紹介していきます。
完了
1つ目の使われ方は完了です。
この完了では「~した」「~してしまった」という意味を表します。
have+過去分詞は「やり終えた状態を持っている」がコアでしたね。
一見、過去形との違いが分かりずらいですが、前述の「~している」という意味で捉えると分かりやすいです。(ただし進行形と勘違いしないでください。)
例
I have already eaten dinner. 私はもう夕食を食べました。
直訳してみると
I 私は have 持っている already すでに eaten 食べた状態を dinner 夕食を
→「私は持っています、すでに食べた状態を、夕食を」
→「私はすでに夕食を食べています」
alreadyは完了を表す代表的な副詞です。
他にも完了の文章でよく一緒に使われる副詞をまとめました。
完了の文で使われる副詞
already | もうすでに |
just | ちょうど今 |
recently | 最近 |
lately | 最近 |
経験
2つ目は経験です。
意味は「~したことがある」となります。
コアの意味から考えると、「~したことを持っている」→「~した経験がある」となります。
例
I have visited Taiwan twice. 私は2度台湾を訪れたことがある。
直訳的には、
I 私は have 持っている visited 訪れた状態を Taiwan 台湾を twice 2度
→「私は持っています、台湾を訪れた状態を、2度」
コアの「やり終えた状態を持っている」と副詞であるtwiceを組み合わせて解釈すると、経験の意味に自然となります。
以下に経験を表す現在完了の文章で使われる副詞をまとめました。
経験の文で使われる副詞
once | 1回 |
twice | 2回 |
many times | 何度も |
sometimes | 時々 |
before | 以前に |
ever | 今まで、かつて |
never | 一度も~ない |
継続
3つ目は「今までずっと~だ」を表す継続です。
これもhave+過去分詞が「やり終えた状態を持っている」を表すので、「~した状態を今でも持っている」→「今までずっと~だ」という解釈になります。
例
We have known each other for 10 years. 私たちは10年来の知合いです
直訳してみると
We 私たちは have 持っている known 知った状態を each other お互いを for 10 years. 10年間
→「私たちは持っています、お互いを知った状態を、10年間」
ここで、文の意味を理解するカギは副詞のforです。
このforは「~の間」を表します。
「for 10 years」で「10年間」という意味です
ちなみに現在完了の継続の文章では、主に状態動詞で使われます。
状態動詞については「現在形」でも取り上げましたので、参考にしてください
ただし、study, learn, stay, teach, play, practice, rain, wait, work などの動作動詞も、長期間にわたった繰り返しや習慣を表すときには、継続の意味で現在完了形が使われます。
継続の文で使われる副詞
for | ~の間 |
since | ~以来 |
how long~? | どれくらい~ |
現在完了進行形
継続を表す現在完了は状態動詞が使われますが、動作動詞を使って継続を表したいときもあります。
そんな時は、「have + been + 動作動詞のing」を使います。
ちなみに、以下の2つの英文にはほとんど意味に差はないです。
I’ve worked for this company for 10 yeas.
I’ve been working for this company for 10 years.
敢えて違いを言うと、現在完了進行形は、まだその会社で働き続けるニュアンスがあります。
理由は、進行形は「今やっていること」、つまり終わっていないことを指すからです。
現在完了進行形では、過去のある時点から今もやっていて、まだそれが続いていることを表します。
つまり今後続けるニュアンスがあるわけですね。
現在完了の知っておくべき注意点
これまで現在完了のコアの意味を応用しながら3つの使い方を説明しました。
ここでは上級者向けとして、現在完了のあれこれを解説していきます。
現在完了はあくまで現在形です
現在完了は過去との繋がりを表しますが、現在形です。
なので過去とのつながりのない時点を示す副詞とは一緒に使うことが出来ません。
例えば、yesterday, last night, ago, thenなどは現在形の文章で使わないので、現在完了形の文章でも使えません。
have been toと have gone to
「have been to~」は「~へ行ったことがある」という経験を表します。
「have gone to~」は「~へ行ってしまっている」という意味です
have gone to のgoneはgoの過去分詞です。
goは「行く」という意味ですが、正確なイメージは「離れていく」になります。
そうすると、「have gone to~」は「~の方向へ離れた状態を持っている」→(今はここにない。)→「~へ行ってしまった」という意味になります。
ただ、面倒なのは、「have gone to~」もアメリカ英語では時々「~へ行ったことがある」を表すことがある点です。
そして、「have been to~」も「~へ行ってしまっている」という完了の意味で使われることもあります。
be動詞+自動詞の過去分詞
この「be動詞+自動詞の過去分詞」というのは、例えば「is gone :なくなっている」や「is finished :終わっている」です。
昔は現在完了を作る時に、haveではなくbe動詞を使うこともあった名残りです。
ちなみに、「be動詞+他動詞」は受け身形になりますね。
have got
イギリス英語では、「持っている」を表すときに「have」だけではなく。「have got」を使うことがあります。
これは現在完了を使っています。
現在完了のコアの意味を適用するとhave gotで「手に入れた状態を持っている」という解釈になります。
I’ve got a new car. 新しい車を持っている
have been dead
日本語の感覚だとちょっと?な「have been dead」も見ておきましょう。
例えば、これはこんな文で使われます
My friend has been dead for three years. 私の友人が亡くなって3年になる
直訳的には
My friend 私の友人は has 持っている been dead 死んだ状態を for three years 3年間
→「私の友人は持っている、死んだ状態を、3年間」
となります。
「死んだ状態を持っている」という日本語の響きだと、いつか死んだ状態から生き返った状態になるような印象すらあります。
関正生先生の「世界一わかりやすい英文法の授業」という本でも、この「has been dead」について解説されています。
それによると、欧米人はdeadは肉体の寿命で魂は永遠との考え方だそうです。
「has been dead」は「肉体がdeadした状態が続いている」となり、欧米人の死に対する考え方に合致するそうです。
まとめ
- 現在完了は「やり終えた状態を持っている」と捉える
- 日本語の「~している」は過去と現在を繋げる分かりやすい表現
- 一緒に使われる副詞を手掛かりに意味を捉える
これらを念頭に、これからの現在完了の文に出会ったら、これらを念頭に意味を捉えてください。
そして、大切なことですが、文法も「使えるレベル」になるまでトレーニングしなければ意味はありません。
使えるレベルにならないと、永遠にたどたどしい英語を話すことになって今います。
「使えるレベル」つまり「瞬時に英文を理解して話す」力を付けるには、徹底したトレーニングを行う必要があります。
このトレーニングは私の英語学習経験を基に作り込まれています。
留学する必要もなく、働きながら英語を身に付けられるトレーニングです。
働きながらでもできるので、多くの社会人の方が申し込まれています。