英語解説
2021年6月30日
Apatheticとは?ネイティブもチェックしている英単語を解説します!
(この記事は2023年6月22日に更新しました)
みなさん、こんにちは!
ステューデイアス英語学院の代表Hankです。
今日は当スクールスタッフで海外経験豊富なAlexに、「apathetic」について解説してもらいますした。
Alex、宜しくお願いします↓
今日ご紹介する単語は ”apathetic”、Merriam-Webster英語辞典オンラインで最近注目されている単語の一つに選ばれています。
https://www.merriam-webster.com/words-at-play/top-10-most-frequently-looked-up-words
“Apathetic = アパセティック” という言葉は聞いたことはないけれど、”apathy = アパシー” は聞いたことがる、と言う人は多いと思います。
元々は社会学や心理学でよく使われた概念ですが、近年医学の分野では、『普通の状態であれば何らかの感情が湧く対象に対して、感情が湧かなくなった状態を指す場合』を表す言葉として使われるようになりました。”Apathy” は名詞で、”apathetic” はその形容詞となります。
今回は “apathetic” の意味や語源・発音だけでなく、何故この言葉が今注目されているのかも含めて、丁寧に解説していきたいと思います。
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”Apathetic” の意味
先ずは “apathetic” の語源を調べてみましょう。
まずもとになっている名詞 “apathy” の語源から調べていきたいと思います。
“Apathy” はそもそもギリシャ語で『情熱』を表す “pathos” に『ない』を意味する接頭語の a- がつき『情熱がない』と言う意味として生まれた言葉です。
19世紀初頭にその使用頻度のピークを迎えています。
同じく19世紀初頭に “apathy” の形容詞として、また同様に “pathetic = 哀れに感じる・情けなく感じる(形容詞)” に『ない』を表す接頭語の a- を加え、
- 無感情の
- 無感動の
- 無関心な
- 冷淡な
などを表す形容詞として誕生しました。
19世紀半ばから一気に使用頻度が高まり、20世紀後半ベトナム戦争の頃にその使用頻度のピークを迎えています。
21世紀を迎える前後に使用頻度は下がってきましたが、最近再び使われることが多くなった単語です。
Merriam Webster英語辞典では、以下のように定義しています。
having little or no interest or concern
https://www.merriam-webster.com/dictionary/apathetic
和訳
物事に対して関心や懸念を殆ど/まったく示さないさま
同じような意味合いを持つ言葉には、”unfeeling” “cold” “indifferent” “insensible” “insensitive” などがあり、
反対の意味合いを持つ言葉には “anxious” “careful” “sympathetic” “sensitive” などがあります。
https://www.synonyms.com/antonyms/apathetic
例文
- Although James was apathetic about his classes, he loved playing football.
ジェイムスは授業には全然関心なかったけど、サッカーは大好きだったよ。 - The employee’s apathetic attitude was apparent in the rude way he greeted customers.
スタッフのやる気のなさは、彼のお客さんへの失礼な挨拶の仕方からも明らかだった。 - Sometimes it seems as though we live in an apathetic world filled with uncaring people.
時々、他人の事なんて気にしない人ばっかりの無関心な世界に生きてるような気がする。。。
”Apathetic” の発音は、アメリカ英語では [æpəθéṭɪk]、イギリス英語では [æpʌˈθetɪk] となります。
ストレスをおく場所が少し異なります。
アメリカ英語の方が前半を少し伸ばし気味で『アァパセティック』イギリス英語では『アパ・セティック』と聞こえます。
日本人では苦手な人が多い “th” が入っていますから、ネイティブの発音を動画などでチェックして練習してみましょう。
”Apathetic” な人って、どんな人を指すの?
“Apathetic” な人とは、どんな人を指すでしょう?
そのヒントをいくつかのサイトで見つけることができました。
WebMD
WebMDには次のように定義されています
”lack motivation to do anything or just don’t care about what’s going on around you
https://www.webmd.com/mental-health/what-is-apathy
和訳
何に対してもやる気がなく、自分の周りの事に関心がない
Healthline.com
オンラインでメンタルヘルスのサポートを行う “Healthline.com” でも、
lack of interest in life activities or interactions with others
https://www.healthline.com/health/apathy
和訳
日々の生活や他者との繋がりに興味を持てない状態
だと述べています。
しかし、毎日生活していれば、時には「今日は誰とも話したくない」「全然やる気が出ない」ということもあるでしょう。心配無用です。
Healthline.comでもこれらの状態は『普通の事だ』と述べています。
例文でも紹介しましたが、勉強に興味はなくてもサッカーは大好き、と言う場合でも “apathetic” は使えるのです。
毎日仕事に勉強にと頑張っているのですから、たまには「なぁーんにもしたくない」「誰とも会わずに何事にも煩わされたくない」と考えることもあります。
しかし、これも自分自身があなたに向かって「ストレスが溜まってるよ」「ちょっと、最近いっぱいいっぱいなんだ。。。」というシグナルを送っている証拠。
WikiHow
WikiHowでは、”Stop being apathetic(Apatheticな自分とさようならする方法)”という記事で、いくつかの解決方法を提案しています。
この中で面白いと思ったのが、
If you catch yourself thinking negative thoughts about yourself, tell yourself, “Stop!”
https://www.wikihow.com/Stop-Being-Apathetic
和訳
ネガティブなことを考え始めたら、自分自身に「ストップ!」と声をかける
と言う方法です。
実際私の友人も声こそ出しませんが、ネガティブな考えが頭に入ってきたら、頭を振ってそれを押し出しています。
その他には、ちょっとした新しい習慣を始めてみる、というのも効果がありそうです。
朝起きたら窓を開けて深呼吸をするだけでもずいぶん気分がすっきりするものです。
どうして今 “apathetic” が注目ワードになってるんだろう?
この1年半ほど、私たちの生活は様々に変化しています。
その中でも一番大きな変化が、仕事がリモートになったり、外出制限があったりして、今までのように自由に家族や友人と会う機会が持てなくなったことではないでしょうか?
旅行が趣味なのに海外はおろか国内旅行もままならないことにストレスを感じている人も多いかもしれませんね。
最初は「友達に会えなくて寂しいなぁ」「旅行に行けなくてつまらないなぁ」程度だった感情が、我慢する期間が長くなってくると「どうして自分たちばっかり我慢しなきゃいけないの?」というネガティブな思いにとらわれてきます。
それが一層強くなってくると、他者や社会に対する「無関心」という状態にまで進んでしまうのでしょう。
今まで持ったことない感情を抱えることになったネイティブたちも、自分の感情を定義するために “apathetic” という言葉を検索するようになったのかもしれません。
“Apathetic” な気分への対処法という記事で、「友人たちとあっておしゃべりをする」を提案している記事もありますが、気軽に友達にも会えないと言うことで、”apathetic” な気分を振り払うことができず、それがますますネガティブな連鎖を引き起こしている場合もあるようです。
Pathetic vs Apathetic vs Empathetic vs Sympathetic
“Apathetic” の意味の冒頭の部分で、”apathetic” は『哀れに感じる』『情けなく感じる』と言う意味の形容詞 ”pathetic” に『ない』を表す接頭語の a- を加えて、
- 無感情の
- 無感動の
- 無関心な
- 冷淡な
などを表す形容詞として誕生した、と紹介しました。
では、”empathetic” “sympathetic” などの場合はどうでしょうか?
empathetic
”Empathetic” は『感情移入』『共感』を表す “empathy” の形容詞です。
Em- は『中に入る』と言う意味を表す接頭語なので、『感情移入できる』という意味合いはすんなり納得できると思います。
”Empathetic” は20世紀後半に誕生した新しい言葉で、誕生以降その使用頻度はどんどん高くなってきている言葉です。
”Empathetic” はレベル16とかなり上のレベルの言葉なので、日常でカタカナ語としてもあまり目にすることはないかと思います。
sympathetic
一方 “sympathetic” は、17世紀半ばにに ”relating to an affinity or paranormal influence(親和性または超常現象の影響に関連する)” 言葉として誕生しました。
『同情的な』『思いやる』と言う意味を持つ言葉です。
科学技術用語では元々の意味を踏襲して『交感神経性のある』と言う意味で使われています。
名詞形の ”sympathy = シンパシー” 若しくはカタカナ語のシンパとして、日本語でも使われる言葉となっています。
さいごに
いかがですか?
”Apathy” “apathetic” が近年メンタルヘルスを語る際に、良く取り上げられる言葉となったため、すごく深刻な心理状態を表す言葉かと考えてしまいます。
しかし、普段ちょっと落ち込んで「あー、もうどうでもいいや」と思ってしまう際にも使われる言葉だと言うことが分かりましたね。
同時に、日本人だけではなく、英語ネイティブたちも心が疲れて『無』になってしまうと言うことも分かりました。
この記事が皆さんの英語学習のお役に立てば幸いです。
最後までお読みくださり、本当にありがとうございました!
あなたの英語学習の成功を応援しています!
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